中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

国語の家庭学習3(続・テスト直しなど)

長いので記事を分けました。

 

4.記述の解答例は「無視」

テストや問題集の解答例は、

「国語が得意な先生」「自分で作った問題」の答えを

「シビアな時間制限もなく(解答作成の締め切りはあるでしょうが・・・)」

「PC上で推敲して」書いたものです。

 

小学生が試験時間内で書くには

誰が考えても無理な文章ですし、その必要もありません。

 

内容面で、要素ごとに同じことが書けていればいいのです。

これを自分でできる子はかなりの実力者ですから、

親が見てあげて、その観点で検討してください。

 

(ちなみに、大手塾のテスト採点はいわゆるキーワード採点、

つまり複数の要素がほぼ均一の配点、というものになっています。

これは、アルバイトの大学生が採点しても採点のばらつきが出ないように、

また、同じように全くできていない記述だが、

0点と3点では差をつけ、ピラミッドの偏差値分布を出したい

というテスト特有の事情によるもので、本番の入試とは違います

例えばサピックスの解答例をよく見ていただけるとわかりますが、

どう考えたって、修飾部分や、反対説の紹介にすぎない要素が

一番大事な要素と同じ配点のはずはありませんし、

入試本番では、大筋が全くできていなければ、

些末なところが書けていても0点にされる可能性が十分ある、

というよりむしろ高いです。

この点は親だけでも認識しておきましょう。

 

この部分は追記で書いており、正直疲れてきましたが、

親切に少し具体的に書いてみましょう。

 

例えば「地球温暖化を防ぐためにどうすればよいと述べていますか」

という設問で、解答例が

地球温暖化を他人事として考えるのではなく、こまめに電気を消すなど、

一人一人が地球の一員だという意識を持つこと。」

というものだった場合、

最後→真ん中→最初のまとまりの順に重要度が下がっていきますが

ほぼ同じ配点にしている解答例も結構多いのです。

こんなバカげたことはありません。

そもそも、このように単純な反対説の紹介をしないと字数が埋まらない問題は、

字数設定自体に問題があると思いますが、そうした話はまたそのうち)

 

さて、かなり脱線しましたが話を戻すと

多くの子供は、ほかの科目に比べて国語のテスト直しをしっかりしません。

(全科目していないような人は論外ですが)

理由はやる意味があまり感じられず、面倒くさいからです。

記述の直しはその最たるものです。

解答例を写して終わり、になっていませんか?

(それすらもやっていない人も多いでしょう)

 

また、塾の指導や、親向けの説明でも

上記の視点をもって直しをしろ、

ということもあまり言われないと思います。

 

担当の先生に力がない、ということもあるかもしれませんが、

身内(自分)の作った解答を「役に立たない」と

自分で宣言するのは憚られますよね。

(実際は、「本当に役に立たない」わけではなく、

「何も考えずそのまま写したり」

「この表現じゃないとだめなんだ」と受け止めると

「役に立たない」のですが)

 

解答例を機械的に写すだけで終わり、

という無意味な苦行は早くやめることです。

 

普段は親が見て判断し、

時折力のある人に添削してもらい、

基準がだいたい問題ないか検証すればいいのです。

 

そう言われても自信がない、時間が取れない、という場合は

個別や家庭教師で力のある先生に依頼して見てもらいましょう。

一例として、「こう書くといい」というように

具体的に表現を直してくれる先生

明らかに力があるということもわかりますし、

いいと思います。

 

集団塾の場合はある程度仕方がありませんが、

 例えば「もっと具体的に」のように

全体的なコメントを一言付けて返してくれるような

添削ではあまり意味がありません。

どこをどのくらい具体的に書けばいいのかわかりませんね。

 

記述は方法論を他でわかりやすく検証することが難しいですから、

教わる先生の質がとにかく決め手です。

また、処理する作業量が多いので実践練習が必要になり、

実力向上にも時間がかかります。

いい先生を見つけて、練習をさぼらないことです。

(部活の話みたいになってきましたが、

国語はセンスのみの科目ではなく、

普通の勉強法が十分当てはまるということです。)

 

ちなみに、ここまでの内容は

解答例の内容が正しいという前提で書いてきました。

(追記した配点の話は別として) 

 

しかし残念ながら、

この内容はおかしいのではないかという解答」

(誤植や単純記載ミスは除く)も国語に限ってはしばしばあります。

(塾のテキストやテストでもありますが、より危ないのは過去問です。

作問者と解答作成者が別人だからです。

解答作成者の実力がはっきり出てしまいます。)

そういうこともありますから、適宜、

力のある先生に確認できると安心ですね。

 

テストの場合を念頭に置いて書きましたが、

家庭学習で読解問題を解いた時でも同じです。

(親御さんが適宜チェックできることが望ましいですが、

無理なら・・・ということも同じです。)

 

上で書いたように本人に任せていると

国語の直しは放置されますから

進歩なく次のテストを受けて、

進歩なく似たような成績を取り続け(※1)、

いよいよ危機感を持った時には、やり方もよくわかっていないし、

練習する時間もあまりない、ということになりやすいです。(※2)

 

しっかりした勉強法を確立し、実践していってください。

(本論終わり)

 

※1

人間ですから問題文との相性があり、

国語はその点で成績変動が大きい科目です。

苦手な文章でも解法を抑えておけば振れ幅を小さくすることができますが、

逆に言えば解法など何もわかっていなくても、

「わかる文章」「共感できる文章」であれば好成績がとれることになります。

ここに危険性が潜んでいます。

精神年齢と語彙力でカバーできる文章(特に物語文)は

何もしなくてもだいたい解けてしまうので

国語の対策をする必要性を感じないのです。

ところが6年生になると入試問題を意識して文章も難しくなりますし、

問題自体も意地悪になってきます。

だったら最初からそういう時に役立つような内容を塾で教えてくれれば、

ということになるのですが・・・

 

※2

これだけ放置してきて、

(くどいようですが「放置」とは、漢字の練習もしていない、

というようなことではありません)

6年生になってようやく

「国語ができないんです」「国語の成績はどうやったら上がりますか」

と相談されるケース。

(放置していなかったのに改善していない、というケースは、

残念ながら指導法自体が悪かったのか、

身に着けるまで至っていないか、ということかと思います。

ここでは何もしていない人を念頭に話を進めます。

また、6年生になると文章内容が複雑になったり、

設問が意地悪くなったりしてきますから、

正しい対策をしていてもつまづく可能性は出てきます。) 

 

よくある質問ですが、

 

わが子のことでなく第三者として客観的に見れば、

「これまで国語の勉強をしてきましたか?」

「何もしてなければできなくて当然ではないですか?」

と思いませんか?

 

他科目でこうした質問をされるケースはほぼないと思います・・・

 

しかもひどい子になると語彙力もぼろぼろという子もいます。

「国語嫌いで算数ばかりやってきたから」

ということまで言ってきたり・・・

あのね、算数1科目入試ではないということはわかっていましたよね。

なんでそんな姿勢なんですか。じゃあ受験辞めたらどうですか。

 

まあ全てが本人と家庭のせいばかりとは言えず、

塾の指導や演習が効果的でないということも大きいのですが・・・

不幸なことだと思います。

 

ちなみに算数が苦手な人でも、

全然勉強していないという人は普通いないんです。

(そういう子は受験自体を辞めます)

むしろそれなりには頑張っています。

 

ところが・・・

 

さて、気を取り直して、

こうした状況からでもなんとかなる生徒もいます。

しっかりした指導を受けて本人も頑張れば

足を引っ張らない程度になる可能性は十分あります。

 

一方、時間的にもうどうやっても志望校レベルの国語の力は無理、

(本人の精神年齢、言われたことを受け入れる素直さ、

語彙力、他科目の状態、志望校の出題傾向、問題との相性などにもよります)

という場合、苦しい受験になってしまい、

先生によっては引き受けてもらえない、という可能性も出てくるでしょう。

生徒やご家庭も辛いでしょうが、

こちらとしてもこうした突貫対策は出口が見えないため

それなりに辛いので、「もっと早く・・・」と残念に思っています。