大問1について
問1は例年地理で、地形図を読み取らせる問題がよく出ます。
平成31年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表|東京都教育委員会ホームページ
2019は
「A地点を出発してF地点に向かう途中の、
B~E地点の正しい写真と説明文を選ばせる」問題。
地形図の読み方、代表的な地図記号は押さえておきましょう。
・〇で囲まれるのは規模が大きいもの(交番と警察署、小中学校と高等学校)
・似ているものはまとめて覚える
工場・発電所(電線が「手」のように出ている)・灯台(真ん中に光源)
など。
他にもこれまでオーソドックスだった、
「A地点を出発し、神社が見えたら右折し、税務署を左に見て進み~」
という内容から、どういうルートを辿ったのか
選ばせる問題も出るかもしれませんが、これも対処の仕方は同じです。
以前ひどいなと思ったのは、等高線の間隔を聞いてきた年です。
縮尺だけ書いてある地図を掲載し、
「この地図上の主曲線は何mおきにひかれているか選べ」というもの。
2万5千分の1の地図と5万分の1の地図では等高線の間隔が違い、
前者は主曲線が10mおき、
計曲線が50mおき(計曲線は5本に1本の線なのでこれは当たり前)
なのですが、
その問題で地図上に数字は一切かかれておらず、
覚えておく以外に解く方法はありませんでした。
こんな細かい内容を都立共通問題で聞いてきたことに驚きました。
通常の地図には等高線に数字が入っているはずなので、
それを見て、主曲線が何mおきか判断できれば十分だと思うんですよね・・・
まあいいでしょう。
都立の問題とは言え、やはり試験ですから、
教科書に載っている限りは何を出してくるかはわかりません。
油断しないようにしましょう。
他には確か、正距方位図法の地図上で
最短距離を選ばせる出題などもあったように思います。
メルカトル図法と正距方位図法くらいは特徴を言えるようにしておきましょう。
時差も出る可能性はありますが世界地理の問題で述べることにします。
問2は歴史です。
2019は江戸の文化史についての問題でした。
江戸時代は長いこともあって整理されていない受験生も多いため、
よく出題されます。
この問題は基本問題ですが江戸文化史は毎年出るようなイメージなので、
だけは最低でも判断できるようにしましょう。
元禄:1700頃、上方中心、人情
化政:1800~1830頃 江戸中心、洒落や皮肉
ですが、勝手にポイントを言うと
松尾芭蕉は奥の細道の際、江戸から出発していますが元禄文化ということ、
浮世絵は両方にありますが、
とりあえず「元禄は菱川師宣のみ」と覚えればいいということです。
あとは地道に覚えてください。
さて、問題に戻ると、近松・井原はその区別だけで消すことができ、
小林一茶は俳諧、ということさえわかれば消去法でも正解することができます。
他には「鳥羽・伏見の戦いが起きた場所を地図上のA~Dから選べ」
という出題もありました。
地図問題も想定し、
有名な出来事の場所は教科書・資料集で確認しておきましょう。
飛鳥・南北朝:吉野
奈良・平安:大宰府
平安:壇ノ浦・(屋島)
江戸:鳥羽伏見・五稜郭・二条城
あたりの場所にとりあえず注意でしょうか。
都立を受ける人なので関東以外が比較的危ないと思います。
特に、長篠はかなり要注意。
問3は公民からの出題です。
少し前までは基本用語を書かせる問題でした。
例えば「〇〇~という仕組み(法律)をなんというか」
といったものです。
あれだけ長くやってきた方式を変えたので、
しばらく出ることはないと思いますが、
万一出ても、基本用語なので普通に勉強している人は問題ないと思います。
2019は人権の分類に関してでした。
これ自体はそう難しくはなかったと思います。
ただ、もう少し難しいものが出題されても公民で点を落とさないためには、
人権の内容については頭でしっかり整理しておかなくてはいけません。
問 教育を受ける権利と同じ種類の人権を次から選びなさい。
ア 裁判を受ける権利
イ 団体行動権
ウ 請願権
エ 自己決定権
自信をもって答えられれば大丈夫でしょう。
ー信教の自由
-思想・良心の自由
-学問の自由
-生命身体の自由ー拷問の禁止など。
(見ればだいたいわかるので省略。)
-経済の自由ー居住・移転の自由
-財産権
-教育を受ける権利
-労働権ー団結権
-団体交渉権
ー請求権
-請願権
(請求権とまとめている教材もあります)
新しい人権ー環境権
-知る権利(情報公開法とセット)
-自己決定権
これを自分で書けるようになること人権分野での最終目標です。
ここまでやれば、都立共通問題の人権で点を落とすことはまずないでしょう。
逆にそうでなければ最悪あきらめる必要があるということです。
また、各権利がどんな性質のものなのかまで述べられれば最高ですが
(国民は、国から自由権を勝ち取ったが、民間での格差が激しくなった。
そこで国に保護を求める社会権の発想が出てきた。
もし独裁内閣が出てきて人権を侵害しても、
選挙の仕組みがしっかりしていれば、裁判手続きがしっかりしていれば、
選挙で内閣を打倒して人権侵害を是正したり、不当裁判を防ぐことが可能、
という意味での人権を守る権利。
また、憲法を作った際には想定されていなかった内容が新しい人権と言われている。)
そんな人はまずいないので多くは求めません。
他にも、課題文が選挙の四原則のどれに当たるか、
を選ばせる問題などが出ていました。
例:以下の文章と最も関係の深いものを選べ
「1925年、満25歳以上の男子全てに選挙権が与えられた」
ア 直接選挙
イ 秘密選挙
ウ 普通選挙
エ 平等選挙
少しでも悩んだ人は要注意です。
※ちなみに、一票の格差問題は、
「一人一票という平等選挙の原則は形式的に満たしているけれども、
実質的に法の下の平等に反しているという点が争われている」
ということも理解できている人はかなりの実力だと思います。
為政者が自分たちに都合がいいように勝手に選挙区割りを決め、
無党派が多い東京は選挙区1つで当選1人、
〇〇党支持者が多い地域は選挙区100個で当選100人、
ということが行われては、
民主主義が骨抜きになってしまうということですね。
1記事が長すぎるのではないかと思い
ひとつ前の記事は簡素な全体像にとどめましたが、
結局長くなってしまいました。
続きます。