中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

敵を知り、己を知れば百戦危うからず

 

「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。

彼を知らずして己を知れば一勝一負す。

彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に必ず殆ふし。」

 

武田信玄風林火山でも有名な「孫子」です。

 

・敵を知らないケース

 

なんでもそうかもしれませんが、

時間の限られている受験では完璧主義は特に命取りになります。

 

早稲田志望のコツコツ型、快活だがプライド高めの既卒生Aくん。

 

 

問題は古漢で、そもそも取り組み始めるのが遅すぎた。

その上、文法を完璧にするまで読解問題に取り組もうとしない。

 

しかし、文法は所詮文章を読むためのツールのはず。

 

細かい文法知識が点に直結するかと言えば、

(日大の英語入試のように文法問題ばかりならまた別だが)

多少出題される程度なら、仮に間違ったとしても配点は小さい。

 

よって、最低限の知識を身につけたら

読解の練習をする方が明らかに(少なく見ても同等に)重要。

 

ところが、いつまでたっても全く取り組まない。

「文法完璧にしたらやります」

「(文法は)かなり進んできています」

 

多分、読解に手を出したら

ボロボロ間違えるんじゃないか、と怖いんですね。

本番じゃないんだから別に間違えてもいいのに。

 

取り組んでみて、

もし問題集を解くのに不自由なくらい

単語や文法が疎かなら短期的にそちらを重視するか、

とりあえず取り組む問題集のレベルを下げればいいだけ。

 

「文法はほどほどでいいから古文・漢文の問題を定期的に解け」

と何度も言ったのですが・・・

 

センター古・漢の出来が壊滅的だった、らしい。

私大の試験本番もおそらく・・・

(受験報告が塾にないので不明)

 

・己を知らないケース

 

中学受験の算数。

 

成績資料を見ればわかりますが、

どのテストでも最後の問題あたりは、

(7⃣(2)8⃣(2)など)

成績上位数%でなければ解けない難易度になっています。

 

にもかかわらず、

偏差値50くらいなのに

毎回手を出している子(特に男子)はけっこう多いですね。

 

算数は比較的好きだからやりたくなるのでしょう。

気持ちはわからなくもありません。

 

ただ、ちょっと待って。

小問集合や計算は完璧ですか?

 

まず100%と言っていいほど、そっちで間違えています。

 

そして、どのテストや過去問を見ても、

そうした問題は難問と配点も大差ありません。

 

むしろ計算の配点の方が高い学校さえあります。

 

・残り10分、どう使ったら一番有効か。

・前半の問題でミスはないか

(しかし、そもそも、

 自分はミスをするという発想がないので気を付けるのは無理)

・残っている問題は自分の実力で時間内に解けるのか

 

こうした判断をミスしている、というより、

そもそも全く行っていないことが原因です。

 

厳しいようですが、自分を客観視できないのです。

 

そうした小学生は国語の読解などでも躓きがちで、

なかなか難しい問題ですが、

 

それでも「もったいない問題を落とした」

という意識はあるようで、

 

「本当なら〇〇点だった」

と誰もが言います。

 

気持ちはわかりますがそれを聞き逃していては何の進歩もありません。

 

上記のようなテストへの取り組み方をする子の場合、

 

「本当」は自分が実際に取った点であること、

 

及び、取れる問題を取るにはどうすればよかったか、

テスト直しの度に指摘して、

本人に考えさせ、自覚させるようにすると

よいのかなと考えています。