中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

歴史学習のやり方

歴史の勉強には年号暗記がつきものです。

 

しかし、特に歴史が嫌いな人にとっては、

無味乾燥で辛い作業になりがちです。

 

こうした暗記は本当に必要なのでしょうか。

少し考えてみることにします。

 

まず、歴史には、

最初に絶対に覚えておかなければならない

時代順というものがあります。

 

旧石器、縄文、弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安、

鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和、平成、令和。

 

順番に言わせてみると、歴史が苦手な場合、ほとんどできません

中学生でも同様です。

 

「これくらい当然できるでしょう」ということで

塾などでは特にチェックもされないのですが、

これができない状態でいくら歴史学習をしてもあまり意味はありません。

 

他の記憶との連携ができないので、すぐ忘れてしまうでしょう。

残念ですが、覚えてはすぐ忘れる

無駄な学習をしている」状態といえます。

 

さらに、ただ順番を覚えるだけでなく、

だいたい何年ごろが時代の境目か」という知識も必要です。

 

アバウトでもだいたいは大丈夫なのですが、

分かっている年については、

覚えているに越したことはありません。

 

その際、年号の暗記が必要になります。

 

710年平城京遷都から、奈良時代になっている。

794年平安京遷都から、平安時代になっている。

1192年源頼朝征夷大将軍就任から、鎌倉時代になっている。

(守護・地頭設置の1185年説はとりあえず無視します)

 

こうして時代順と、その境目を把握したら、

次にやることはその中身の整理です。

 

その時代の中で、どういう出来事が、どういう順番で起こったのか。

 

仏教伝来538年

 

聖徳太子600年くらい

( 593年推古天皇の摂政

603年冠位十二階、604年憲法十七条、

607年法隆寺、どれかを覚えればほぼ足ります)

 

大化の改新650年頃以降

 

大化の改新645年、白村江663年、壬申の乱672年)

 

あとはその流れで大宝律令701年くらいを覚えておけば

飛鳥時代は終わりですね。

 

個人的には、

どれもその年自体が非常に大切というわけではないと思います。

 

(例えば、仏教伝来には諸説あり、552年説や、

「伝来」とされる以前から仏教は日本にある程度広まっていたので、

「伝来」をクローズアップしてもあまり意味がない、

という考え方もあるようです)

 

その割にいくつか年号を書いていますが、

こうした時代の中身の整理には、目印が必要になります。

その目印のためにいくつかの年を覚えておくと楽になりますね。

 

年号はそのために利用すればいいと思います。

 

 

1.時代順を確実に

2.各時代の境目を覚える

3.各時代における出来事自体を覚える

4.そのだいたいの順番をしっかり把握する  

(その際に年号を活用、基幹となるものから少しずつ覚える)

 

こうした中で、

 

明治維新戦間期など、

比較的近い年代の間に多くの関連事象が起きていて

覚えにくいものもありますから、

そこだけは別途テーマを意識して覚えればよいと思います。

 

(無理やり丸暗記してもいいですが、

できれば流れを解説してもらえると覚えやすいのでベストです。)

 

1929 世界恐慌     各国ブロック経済。植民地の必要性高まる

 

満州事変(柳条湖事件)  満州進出強化

→5・15事件       首相暗殺。軍部独裁へつながる

国際連盟脱退       国際的孤立

→2・26事件       軍部の独裁状態に

日中戦争(盧溝橋事件)  本格的な戦争突入

国家総動員法       戦争のため国民生活は犠牲に

第二次世界大戦開戦    欧州で戦争開始

→日独伊三国同盟      同盟強化

→太平洋戦争開戦      対米戦開始

 

先日、

サピックスの歴史年号プリント、

 150個もあるがどうしたらいいか」

 

と言われましたので、

 

そもそも覚えていなかったり、

年号自体はあやふやだけどこれはまず問題ないよね、

 

と思った30個弱は、

「優先順位低めでいいのでは」とチェックしておきました。

 

その子の実力的には、

もっと絞っても良かったかもしれません。

 

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※ちなみに、時代順も言えないような人が年号暗記から始めてはダメです。

こうした年号一覧プリントの一番の活用法は、

「この時代の文化の特徴はこうだったな」

「この乱がおきた理由はこうだったな」

などと、眺めながら歴史の流れチェックをすることです。

 

だいたい、歴史学習が全て終わった段階で配られますから、

本来はその状態になっていることが望ましいのです。

 

その上で、何も思いつかない期間については

本来は復習が必要なのですが、

問題が出れば解ける、ということもありますので

そのあたりは時間との相談でしょう。             

 

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僕も大学受験で日本史を選択していませんし、

細かい内容は忘れていたり、

そもそもうっかり覚えていなかったりしますので、

これで絶対に年号関係の問題を1問も落とさない、

とまでは言えませんが、

 

年号を120個超えるくらい覚えていれば

ほぼ年号の失点はない、ということになります。

(同じ年に複数の出来事があったりしますので、

 負担はもう少し重くなりますが)

 

以前、「難関校受験者は年号暗記100以上は必須」

という説を見たことがあります。

 

上記のように、

個人的にはやみくもな年号丸暗記には反対なので、

直感的には反発したい気持ちになったのですが、

 

歴史をしっかり学習した人は

結果的にそれくらいにはなるのだな、と納得しました。