中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

大学入学共通テスト 世界史B

今更ですが、先日解いてみました。

 

www.toshin.com

 

センター試験と比べどう変わったのか、

あくまで個人的な印象ですが、書いてみたいと思います。

 

センター試験と比べて注意が必要な点

 

1.課題文の内容を読み込む必要がある

 

センター試験では、課題文の内容は

「ああそういうテーマなのか」というだけで、

問題を解くために読みこむ必要はほぼありませんでした。

 

しかし、思考力重視の試験にしようという思惑ははっきり見え、

読んで考えなければ解けない問題が増えています。

 

2.時間配分がシビアになった

 

課題文をしっかり読んで考えなくてはならないため、

単純に読むのに時間がかかる上、読解力がない人は厳しいでしょう。

 

初見の文章の要旨を素早く把握する力が問われますね。

国語の力がより重要になっていると思います。

 

センター試験と比べてある意味楽になった点

 

1.知識量が少なくても点が取りやすなった

 

上記のように思考力にシフトしていますので、

 

センター試験のように

選択肢それぞれについて「どこかに間違いが含まれているのではないか」

と細かく検討しないと解けない問題は相当減っている印象です。

 

・ペストとコレラの流行時期の違い

ローマ帝国はどのように領土を広げたか

 

といった、

歴史の大まかな流れを理解していればよい

という意図の出題も多く見られました。

 

もちろん、細かめの知識まで知らないと解けない問題も

少しはありましたが、

85~90点くらいまでの得点を狙う上では支障はないと思います。

 

2.すぐに解ける問題がある

 

 注意すべき点の2とも関係していますが、

 基本的に課題文の検討が必要になったため、

 おそらく時間配分の重要性が高まりました。

 

 そんな中、

 課題文をほぼ読む必要がない上、肢の検討も不要で、

 センター試験と比べても、労力なく解けるのではないか、

 という問題も一部にあります。

 

 そうした問題を見極めて素早く片づけ、

 時間の短縮を図ることもポイントかと思います。

 

 例えば

 

大問3の問1 「デカメロン」について。

 

まず、著者の3択ですからボッカチオ以外ありません。

 

また、ルネサンスの代表作品の一つですから、

ダーウィンの進化論の影響を受けている」

を選んでしまうような人はさすがに少数派でしょう。

(課題文中にも1348年と書いてありますし)

 

他にも

 

大問4の問8 「インドにおけるイギリスの植民地政策」について

 

まず、インドですので、ペルシア語は関係ないでしょう。

イラン=ペルシアというのは世界史選択者として常識かと思います。

 

また「ムスリム仏教徒を対立させるため」ベンガル分割令を発布した

という点も明らかに誤り。

 

公立中学校で扱う世界地理でも習いますよね。

「インドはヒンドゥー教で牛を食べない」

 

 

どうだったでしょうか。

 

二次試験で社会のある大学(特に国立)を受験する場合は、

あまり気にすることのない変動だという印象は変わらず、

 

二次試験で社会は使わないという人

(英数国型の多くの国立及び私立は数学という人、理系の人)にとっては、

暗記要素が減って負担が楽になるのではないか、と感じました。