中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

1994 麻布中 国語

禾呈 王韋(チョン・ウェイ) 「白い貝がら」 中 由美子訳

 

もうかなり前になるので、出題文を調べるのに本当に苦労しました。 

 

中国児童文学からの出題のようで、

少し調べた限りでは現状入手は難しいのかもしれません。

 

以下あらすじ

 

 

海辺で休みを過ごす3人組。

休みの間、療養にやってきていたチュおじさんと、

とても素晴らしい日々を過ごすことができた。

 

ところがおじさんは明日ここを発ってしまうらしい。

3人組はお別れを言いにおじさんのいる療養所へ向かう。

 

主人公は、素晴らしい日々を過ごした海辺で拾い、

大切にしていた白い貝がらをおじさんにプレゼントするつもりでいる。

 

ところが・・・

 

おじさんは3人組との面会の約束を平気ですっぽかした挙句、

「やむを得ない用事があった」と言い訳をする。

 

おじさんが約束をすっぽかしていながら焦る様子もなく、

平然と宴会をしている様子を、すでにその目で見ていた3人組。

 

特別だと思っていたおじさんも、

大多数の、汚い大人の一人だったのか、と深く失望する。

 

そんな失意の帰り道、

主人公は白い貝がらを取り出して、眺め、そして海に投げる。

 

この清らかな貝がらには

ほんの少しでも汚れたところがあってはならないのだ、と。

 

おわり

 

 

ちょっとあらすじを長く書きすぎかもしれませんが、

この作品には思い入れが強く、少し見た限りでは入手困難なので

ご容赦いただければと思います・・・

 

この問題は自分が入試で解いた問題でして、

ほかの科目はあまり覚えていませんが、

会心の出来だったのでよく覚えています。

 

問題を解くのが楽しくて仕方なく、

次はこういう内容を聞いてくるのではないか、

という予想までだいたい当たっていたように思います。

 

こんなことは滅多にありませんので、

相性がいい文章だったのはとても幸運でした。

 

 

さて、たしか最後のほうの設問に

「なぜ貝がらを海に投げたのか」

というものがあったと思います。

 

「汚い大人の世界の一員だったおじさんに失望したから」

というようなことは書けたはずですが、

 

「そういう汚い世界を知ってしまった自分にも、

 もうこの白くて清らかな貝がらはふさわしくない」

 

という内容も書けたかは自信がありません。

 

とてもいい文章だと思います。

 

 

この年の他の科目についてはあまり覚えていませんが、

 

・算数に部屋番号の問題があったこと

・理科で低レベルな間違いをして親に馬鹿にされたこと

・昼食後の社会の試験中にお腹が痛くなり、

 思い切って手を挙げてトイレに行ったこと

 

は覚えています。

 

後日、

四谷大塚の学校別講座テキスト(過去問)のタイトル

を載せているブログをたまたま見たところ、

社会は車をテーマにした問題だったみたいです。

 

そう言われればそうだったような気もしますね・・・。

 

自分の経験で少しでもお役に立つことがあるとすれば、

もしテスト中にトイレに行きたくなっても焦らないことでしょうか。

 

他の予期しないトラブルでもそうですが、何とか大きな失点を避けられれば、

十分受かるチャンスはあります。