中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

国民審査 社会(公民)

衆院選と同時に、最高裁判所裁判官の国民審査も行われます。

 

前年に国政選挙があった場合、

受験する中学校のどこかでは必ず出題されるといえるほど重要ですが、

 

こちらについてもしっかり押さえておきましょう。

 

以下は、正確な条文ではありませんので、

必要でしたら憲法などをご確認ください。

 

最高裁判事は、就任したのち、

 初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査を受ける。

 

・最初の国民審査後、10年経過後に初めて行われる衆議院議員総選挙の際にも

 また審査を受ける。

 

・その後も同様とする。

 

 

注意するポイントは

 

「任命後最初の衆議院議員総選挙の際に」審査を受ける

「罷免を可とするものに×を付ける(それ以外は無効)」

「×が有効投票の過半数で罷免」

これまで罷免された人はいない

 

この辺りはわりとよく出ます。

 

 

 

以下は、多くの中学受験生にとっては

それほど重要な内容ではありませんが、

 

上記の条文から、

可能性としては一応、複数回の審査を受ける可能性があります。

 

ただし、最高裁の裁判官は通常、

いわゆる、実績のある人、出世した人しかなれませんので、

就任時にはそれなりの年齢となっており、

60歳未満という人は極めてまれです。

(退官は70歳なので、

 2回審査を受けるためには60歳未満であることが必要)

 

よって、1963年以来、複数回の審査を受けた人はいません。

 

近年ではあまり意味のない規定ですが、

意地悪な選択肢としては出題されるかもしれません。

 

ア 最高裁判所の裁判官は、複数回国民審査を受けることはない。

 

(上記のように規定はあるので、今後そうした人が出てくる可能性はあります) 

 

イ 最高裁判所の裁判官のうち、国民審査を2回以上受けた人はいない。

 

(複数回受けた人は、過去に6人いるそうです。

 戦後最初の最高裁判事5人と、あと1人。3回受けた人はいないようです)

 

また、比較的高齢で就任したため国民審査を受ける前に退官になったり、

自分で辞めてしまう人、亡くなる人などもいますので、

過去3人、国民審査を受けていない人がいるようです。

 

こちらはまず出ることはないと思いますが、

同様に意地悪な選択肢を作ることは可能でしょう。

 

ア 最高裁裁判官のうち、国民審査を受けなかった人はいない。

 

 

いずれにしても、

断定している選択肢、

「わからないけれど、例外があるのではないか?」と考えやすい選択肢は

怪しいと考えることが大切です。

 

公民は、細かい規定を利用すれば

いくらでもそういった選択肢を作ることができますので、

そうした選択肢の出題頻度がそれなりにある学校を受ける人は、

意識しておくといいと思います。

 

 

 

NHKのサイトには裁判官の紹介と、

関わった裁判での判断が掲載されています。

 

www3.nhk.or.jp

 

就任したばかりで参考になる判決が何もない人などもいますが、

 

個人的には、意見が分かれている判決を見るのが

その裁判官がどういうスタンスなのかの基準としてわかりやすいと思います。

(全員合憲、というものを見てもあまり参考にならないので)

 

最近ですと選択的夫婦別姓についてですね。

一票の格差についてもかなり分かれやすいです。

 

近年は社会でも考えさせる問題の出題が少しずつ増えてきていますので、

余裕があるようなら、

こうした問題について少し話し合ってみるのも勉強にはなると思います。

 

また、国民審査はこれまで誰も罷免されておらず、

実質的に機能していないことを問題視されてもいます。

 

「あなたはどのような制度にしたらいいと思いますか?」

という問題も出ないとは限りません。

 

これは受験生的には完全な余談ですが、

上記サイトには、それぞれの判事の出身母体も書かれています。

 

実は、最高裁の裁判官15人のうち、

裁判官出身は何人、弁護士出身は何人、となるように、

(ほぼ)枠が決まっています。

 

一般的(と言って大丈夫だと思いますが)には概ね、

 

弁護士出身、学者出身という方はリベラルより、

検察官出身、行政官出身という方は保守より、

裁判官出身という方は人によりますが、やや保守より

 

ということが多い印象です。