普通、計算問題といえば、
確実にとらなければならない問題の筆頭といえます。
御三家クラスの入試ではそもそも出ないことも多いですが、
今年は武蔵が出してみたり
※2021分の634（むさし）という答えになります。
これはかわいいものでした。
2021は43と47を通分すれば勝手に出てくるので、
43×47＝2021を知らなくても解けます。
（塾によってはこういうのも常識レベルなのかもしれませんが、
時間のある時に考えて教えておいたところ、
城北埼玉中の入試ではまさにそのまま出題され、受けた子に喜ばれました。
武蔵を受けたサピ生の子にも話したのですが、
上述したように別に知らなくても解けそうな問題なので、
効果があったのかはわかりません・・・）
さて、前置きが長くなりましたが
そんな計算問題でも中には手ごわい問題もあります。
2021 桜蔭中
一番最初に計算問題がありますので誰しもが取り組むと思いますが、
5分以内で解ければなかなかの計算力、という印象です。
一見すると普通な感じなのですが、
まず（）の中にある小数をなんとかするために10と13で通分、
そして一番右の分母2つ、13と7を91に通分する必要があって、
さらに11と通分する必要があることは見たらすぐわかります。
実は結構大変そうな問題でした。
お恥ずかしいですが、
そういう自分も最後の数字（後述）が割り切れず間違いに気づきました。
しかし、途中の計算ミスがどこなのか修正できず
（裏紙に雑にやっていたため）かなり時間がかかってしまいました。
（時間は計っていませんが、確実に5分以上かかっていると思います）
この記事を書く際にあらためて解き直してみましたが、
計算ミスがなく、大きな分数が出てくることに不安を持たなければ
（そういう数値が出てくる場合、
だいたい間違えていることが多いので、不安になりがち。
ただ、桜蔭以外に、開成・巣鴨などではそういう数もよく出てきますので
念頭においておければ大丈夫ですかね。
まあ、今回は一回解いていますので。。）
3分以内に解くこともできそうですね。
※後述
特に工夫せずにやっていくと
最後の最後に10010分の18927という数が出てきて、
最終的な答えとしては110分の27になります。
さて、この問題から学ぶことは、
「計算問題でも割に合わない問題はある」
ということでしょう。
特に1問目ですから、
もしここではまって10分近く使ってしまうと
・計算問題ですら解けない
・時間もかなり使ってしまった
ということで、相当に焦ります。
実際に焦った経験がないとなかなかわからないと思いますが、
実質的に、この時点で入試はかなり厳しくなります。
（特に算数において）「問題の取捨選択が必要」という意識を持つことは
『普通』（ごくごく一握りの算数超トップ層以外）の受験生の必須事項であり、
順調にいっていればこれまでのテストで本人も実感できていると思います。
（それなりの成績でも、最後まで猪突猛進、という人も中にはいますが）
ただ、さらに計算問題についても
「そういうこと（捨て問にすべき可能性）もありえる」という体験を
一度はしておいた方がいいかなと思います。
（自分が受けていた時も、
このように計算で難渋して失敗したことがありました）
もちろん「最初から計算問題を捨てろ」ということではありません。
あくまで「面倒な問題かどうか見抜く嗅覚を磨く」
「難航したら、とりあえず放置する」ということです。
算数も難しいと言われる桜蔭中で、
計算を捨てるのは勇気もいると思いますが、
この年の問題を見ていくと、
比較的易しい問題もいくつもあります。
1（2）暦算は基本問題レベルですし、１（3）数の性質、
3の水を入れる問題、4の速さなどは前半に簡単な問題もありますし、
後半についても（桜蔭受験生なら）十分に一定の点が見込めますから。
※今回は計算問題の怖さについて書こうと思ったので
以下は一応余談となりますが、
２については調べ上げが必要でかなり面倒な問題だと思います。
空欄アだけはとても易しいので、それ以外は飛ばした方がよさそうです。
女子校にしては算数がかなり難しいので大変ですが、
傾向は比較的一定しているので、うまく乗り切れるといいですね。
