中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

共通テスト2022 雑感

先日行われた共通テストについて。

 

迷走を重ねているこのテストですが

なぜか「思考力を問うもの」ということになっているようです。

 

少なくとも、センター試験よりはそういう方向を目指していると。

 

 

しかしそもそも、こうした「膨大な人数が受ける一次試験」というのは、

 

「個々人の学力を客観的に点数評価して、差をつける

「二次試験で問われない科目についても最低限の学力を持っているか確認する」

 

というあたりが目的のはず。

 

採点が大変な記述式とか、

 

思考力を見る

(最低限の学力チェック、点差をつける、という目的とは内容がかけ離れていく)

 

とか、そういう内容はそぐわないものだったはずです。

 

にも関わらず、

無理やりにそういう要素を詰め込もうという動きが強くありました。

 

記述式は非現実的すぎて断念されましたが

思考力の要素はいまだに残っており、

色々と齟齬が生じているということなのかなと思います。

 

理不尽に振り回される受験生は本当に気の毒です。

 

なお「周りも同じように点数が悪いんだから気にしなくてもいい

という意見も目にしましたが、無責任な内容だと思います。

 

このテストは1発勝負で完結する各校の入試とは異なり、

結果を受けて出願動向が左右されます。

 

例えば

 

もともとB校を志望していた人が本テストで苦戦し、

予定より悪い点数しか取れなかったとします。

 

それでも初志貫徹でB校に出願した場合を考えてみましょう。

 

「他のB校志望者も同じように苦戦しているのだから、

相対的な状況に変化はない」

 

というのが上記の慰めの根拠です。

 

しかし、現実はどうでしょう。

 

B校よりも難関のA校志望者のうち、本テストの点数が振るわなかった人は

A校を諦め、B校に出願してくる可能性が十分あります。

 

そうなれば、もともとのB校志願者のうち、

テストの点が悪かった人は非常に苦しい戦いを強いられるでしょう。

 

大学定員厳格化の影響と同じですね。

 

 

もう一つ書くと、センター試験の頃から変わらないのは、

「試験時間内で解ききるのは結構厳しい分量である」

ということです。

 

とにかく事務処理能力を問う試験。

 

個人的にはつまらないですが、

本来の目的(点差をつける、二次で問わない科目の基礎を確認する)

からすればそれもありなのかもしれません。

 

ところが現状は

 

思考力重視を謳うけれども、時間との勝負です」

となってしまっています。

 

この点についても、

 

思考力というトレンドワード?を無理やりに詰め込んだ結果

ちぐはぐになっている感は否めません。

 

 

そんなに思考力がいいのなら

麻布中の入試問題でも出題する方がよほどいいのに、と思いますが・・・

 

 

※武蔵の塾対象入試説明会(社会)で、

「入試で知識問題を出さないためか、基礎知識の疎かな子が入学してきて困る。

よってこれからは短答知識も出す」という話を目にしました。

比較的最近の説明会です。

 

この点、麻布中の社会入試では易しめの知識問題も数問出題されています。

こんな問題みんなできるはずだし、出題意図にも添わないはずなのに

何の意味があるのかと思っていましたが、こういう事態への対策なのでしょうね。

 

 

 

以下は余談

 

自分で軽く解いてみた感想です。

 

・数学Ⅰ・A

解いたのは大問1・3・4の一部のみ。

確率も含めて、必要作業量が多いような?

 

試験時間がセンターから10分伸びて70分になっていますが、

かなり厳しい試験になったということのようですね。

 

・国語

 

現代文のみ。

内容は独特になっていますね。

こういうのも一応思考力といえば思考力なのでしょうか。

 

国語の場合、わざわざこういう形にしなくても

いくらでも問えそうな気もしますが・・・

 

※センター・共通テストの国語はページ数がとても多いので、

PC画面で問題から本文に戻って都度照らし合わせる、

という作業が絶望的にしんどい。

まあ当たり前なのですが、改めて思いました・・・

 

 

・世界史B

 

易化予想も出ていますが、

確かにこれはかなり簡単な気がします。

 

センター時代と比べて細かい内容は減り、

資料の文章を読むだけだったり、

世界史の基本常識だけで答えられる問題も結構ある印象。

 

理系の人からすれば、かなり楽になって嬉しいと思います。

 

文系で、もし2次に世界史がない場合、

「こんなテストで国立大?」という感じもしますが・・・

 

・地学基礎

 

忘れている内容もありましたが

全体的にはこんなレベルなのかな、と思いました。

やはり「基礎」はかなり易しめ。

 

・地学

 

冒頭何問か見てみましたが、一応正解。

旧課程文系とどれくらい重なっているのかな、

といった興味本位です。

 

・英語

 

冒頭を少し見ただけです。

 

易化したという話も目にしましたが、

なるほど、こういう感じですか。

 

確かに小学生っぽい感じもしますね。

 

※テスト内容とは全く関係ありませんが、

個人的には設問は日本語で書いてほしいです。

 

「下の写真はブラジルの果物です。」みたいに。

 

英語の問題文、多いですよね。

もちろんそれも含めて英語力、ということなんでしょうけど、

余計な労力に感じてしまうので。

 

例えばですが、古文の問題文が古文で書かれていたらどうでしょうか?