中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

自己紹介

以下、適宜更新(最終更新2024.4)

 

一応、右サイドバーの方にコンタクト方法は記載しているのですが、

「連絡先がよく分からなかった」という方もそれなりにおられますので、

(わかりにくくてすみません)

この記事の冒頭にも念のため記載しておきます。

よろしくお願いします。

 

・指導料金

 

120分:12000円+交通費

  90分:10000円+交通費

(120分以上の場合は、1時間6000円計算)

 

・アポイント

 

この記事コメント欄にご連絡先を記載いただくか

(コメントはこちらが承認するまで非公開ですのでご安心ください)

 

toto_129@hotmail.com

 

までご連絡ください。

 

※上記アドレスは右サイドバー記載のアドレスと異なり、

アットマークも小文字ですので、このままでご利用いただけます。

 

初めまして。

 

以下、 自己紹介と指導についてなど

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現在の空き状況

2024年4月現在

 

積極的に対応させていただいているのは以下の日時です。

もしよろしければご検討いただけますと幸いです。

 

○月曜日19時以降(港区南東部近辺及び、帰宅の動線上ですと助かります)

 

○金曜日19時以降(立川近辺~都内寄りですと助かります)

 

他、火・木・土についてもご相談可能です。

(日+αでお休み予定)

 

以上、どうぞよろしくお願い致します。

2018麻布中 「緑の子どもたち」

表題作がやや印象に残ったので、所収されている

「短編ベストコレクション現代の小説2018」

を読んでみました。

 

深緑野分氏の表題作はSFファンタジーのような小品。

 

「物語を読み解く能力に挑戦してくる作品である」

と解説文にあるように、一見やや大変かと思いましたが、

あくまでこれまで指導した子の感触では、

意外と苦戦していないようです。

 

教える側も、先入観なく臨むことが大事だなといつも思います。

 

 

他に印象に残った作品

 

「りゅりゅりゅ流星群」 雪舟えま

 

ボーイズラブの青春小説。

あまり読んだことのないジャンルながら、

さわやかに読み進めることができました。

もしかしたら中学入試にも出るかもしれません。

 

 

「頸、冷える」 河崎秋子

 

北海道別海町出身で、酪農業との兼業で執筆していた、という方。

(以前の記事では専業になるようなことを述べていたのでもう違うかも)

 

根室でミンクの養殖業を営んでいた青年の周囲を描いた作品。

 

ネタバレになるので詳細は控えますが、

これはちょっと中学入試には出せないよね、と思っていたら

2019に東邦大東邦が出していました。

 

確かに途中の部分ならまだ出せるか。

 

北海道はまだ開拓されてからそれほど間がないですし、

厳しい気候なので、哀切漂う感じになっていくのでしょうか・・・

悲しいと同時に、とても迫力のある作品でした。

 

この作者の、北海道の廃れていった産業たちを

テーマにしたらしい一冊がこちら。

(「頸、冷える」も所収されています)

 

土に贖う (集英社文庫) | 河﨑 秋子 |本 | 通販 | Amazon

 

※追記 この記事の草稿は少し前に書いているのですが、

その後、河崎氏は2024年1月に直木賞を受賞されています。

解答方法の多様性

最近、久しぶりに時間があるので、

殊勝に?教育関係の本を少し読んでいたりします。

 

その1冊が

「名門中学の入試問題を解けるのはこんな子ども」

(日経Kids+ おおたとしまさ)

 

この本は著者のおおた氏と各学校の先生の対談形式で構成され、

各校の入試問題を取り上げて

その多様さ、面白さ、学校の求める人物像などを紹介しています。

 

中で少し驚いたのは

取り上げられている、聖光中学2013年第1回入試の大問3。

 

以下問題要旨

 

10の位を示す電光掲示板と1の位を示す電光掲示板があり、

2けたの数を表示していきます。

 

また、10の位を示す電光掲示板は1~8

1の位を示す電光掲示板は1、2、3、・・・・9、0

の順に1秒ごとに点灯していき、

それぞれ、最後の数字の後はまた最初の数字に戻ります。

 

例えば、

1秒後は11、2秒後は22、8秒後は88、

9秒後は19、10秒後は20、11秒後は31が表示されます。

 

この大問(2)で

「この電光掲示板で表示できる2桁の数を全て足すといくつになるか」

という設問がありました。

 

まず、こういう問題が出題されている以上、

表示できる2桁の数は11~89の全てではなさそう。

(もし全てだとすれば、計算で簡単に答えが出てしまう)

 

まあ普通は、

何か法則があるはずだからそれを考えるというのが自然かと思います。

 

ぱっと考えたのは

 

・10の位は8通りで1の位は10通りなので40秒で周期が一巡する

・11+22+33・・・と単純に足していくのは手間が膨大なので、

 違う方法を考えたい

・よって、10の位と1の位を別々に足す方がよさそう

 

まず10の位について考えると、1~8の合計は36。

これが5サイクル(40÷8)なので、36×10×5=1800

 

1の位は合計45(このあたりの合計の暗記は基本)。

これが4サイクル(40÷10)なので45×4=180

 

1800+180=1980

 

とてもスマートだしいかにも定番の解法っぽいので、

これが出題者の想定している解法かと思いきや、

 

聖光の先生は全然違う、もっと泥臭い解法を説明していました。

確かに問題の条件から見いだせるのだけど、

思いつくのもなかなか厳しいし、

計算量も多いので、時間もかかってしまいそうな解法である。

 

一般的に、

塾のテキストや問題集の解説はとにかくスマートな解法が多いので、

算数でこういうことがあるのかという点がかなり意外でした。

 

どうやら、

「この電光掲示板で表示できる数にはどういう特徴があるか」

(10の位が偶数なら、1の位も偶数。10の位が奇数なら1の位も奇数)

 

というのが当初の問題だったものの

 

「表記が色々想定され採点しにくいので、

やむを得ず合計を求める問題に変更した結果、

(2)はこの大問で一番難しい問題になってしまった」

 

とのこと。

 

だから当初の問題に即した解法(偶数とか奇数とかに着目したもの)

に言及しているのですね。

 

自分はたまたまスマートに解けたこともあり

かなり驚いたのですが、

学校側の作問事情、想定答案や解法というのも

意外とわからないものなんだな、と思いました。

 

 

ちなみに余談ですが、この問題は

「合格者と不合格者で大きな差がついた、全問不正解者も多い」

とも述べられていますので

 

「本番で取れそうな問題を高確率で拾う」ことが

いかに大切かということがよくわかる例でもあったかなと思います。

 

確かに算数は

 

・配点(4科の中で高配点のことが多い)

 

・科目特性(論理性の科目なので、

(1)から最終的な結論まで誘導していくことが多い。

よって、1問目をミスしたらその大問は全て×になる可能性も高い)

 

・出題形式(答を書くだけという学校もかなり多い→少しでもミスしたら即0点。

問題数も少なく、1問の配点がかなり高い→ミスが得点に及ぼす影響度が高い)

 

などの点から

結果的に一番点差がつきやすい科目、算数にひたすら時間を、

と言われるのもわかりますが、

 

大雑把にそういうのも

ちょっと単純すぎるのではないかという印象も個人的にはあります。

(算数に勉強時間の7割を費やせ、

といった論説も見たことがありますが、

一般論でそんなこと言って本当に大丈夫か??

そこまで算数に苦戦している人は成績全般で苦戦していることが多く、

理・社ももっとやった方が総合点は伸びるのでは?的な)

 

もちろん基本的な内容の定着にはそれなりの演習量が必要ですが、

 

特に難関校に受かるための勉強としては、

ただ勉強量を闇雲にどんどん増やしたり、

難問を解きまくればいいというよりは、

焦点を絞るというか、

そういう取り組みがより有用なのではないかと個人的には考えています。

 

(もちろん、人によります。

算数で突き抜けた点を取らないと絶対に受からないとか

(本命の状況的には厳しく、押さえ校をしっかり用意したいが)、

他の科目に弱点はないので、算数の超難問にいくら取り組んでも全く問題ない、

といった人はどんどんやればいいと思います。)