中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

入試・テスト

解答方法の多様性

最近、久しぶりに時間があるので、 殊勝に?教育関係の本を少し読んでいたりします。 その1冊が 「名門中学の入試問題を解けるのはこんな子ども」 (日経Kids+ おおたとしまさ) この本は著者のおおた氏と各学校の先生の対談形式で構成され、 各校の入試問…

勉強で身につけたい力

先日の某組み分けテストの記号問題の選択肢(要旨) 「大きなタンカーは日本の石油消費量1か月分と同じくらいの石油を運べる」 この選択肢ですが、実はテキストに関連記載がありました。 それによると 「タンカー2隻で、日本の一日の消費量くらい運べる」 と…

過去問と同じ出題

埼玉大学の2024入試英作文で2年前(2022)と同じ問題が出た、 というニュースを見ました。 確かに良質の過去問を作るのは大変だと思いますが、 2年前のものとはやや驚きました。 本命の人は絶対に一度取り組んでいると思いますから。 以下少し思ったことなど…

テスト慣れのメリット?

以前見た過去問より。(要旨) 北海道の面積は日本の約(あ)を占めている。 (あ)に当てはまるものを以下から選びなさい。 ア 2分の1 イ 3分の1 ウ 4分の1 エ 5分の1 うーん、どれが正解なんだろうと思ってしまいました。 令和4年7月1日付の面積(国土地理…

歴史年号150問テスト

サピックスの6年生が取り組むプリントですが、 先日解答する機会がありました。 結果は143点。 (もちろん、対策等はなしのぶっつけです) ケアレスミス1問、 おぼろげにしか覚えていないので間違えたものが6問。 危うく生徒(プリントやるの3回目くらいらし…

「四十一番の少年」

井上ひさし著 表題作である「四十一番の少年」「汚点(しみ)」「あくる朝の蝉」の 3作品が収録されています。 3作品にはいずれも孤児院(作中表現による)が登場し (作者の体験に基づいているとのこと)、 それぞれ哀切に満ちた作品となっています。 以下…

山上憶良(歴史)など

先日のサピックス6年5月マンスリーテストの社会について。 「(略)飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば」 という歌は見たことがあったものの 作者は誰か名前を書け、と言われるといまいち自信がなかったです。 反省のために備忘として書いておきます。 確かに言…

歴史(三世一身の法+α)

723年 その時の天皇は、元正天皇。 以前書いたような気もしましたが、なかったかもしれません。 先日某テストで出てはいましたが、細かいですね。 元明天皇(平城京遷都)の娘で同じく女帝。 ちなみに、墾田永年私財法は、743年。 その時の天皇は聖武天皇。

歴史(口分田)

口分田がもらえるのは6歳以上の男女。 これは基本事項だが「6歳になったら必ずもらえる」わけではない。 6年ごとに作られる戸籍に従ってもらえるので、 場合によっては11歳でもらえるということもありうる。 (前回の戸籍の時は5歳なのでもらえなかった) ま…

4月マンスリー国語雑感

物語文は「かそけきサンカヨウ」からの出題。 まず、上位と差がつくところは冒頭の部分。 主人公のよそよそしい呼び方から 「多分、再婚した継母の話だろう」と気づけない人は 「この人誰?」というストレスを抱えながら読みすすめなければなりません。 集中…

日本の島の数

先日「日本の島を数え直したところ、約1万4000となった」 という発表がありました。 (従来は約6800とされていました) また、2月半ば頃にはそのような見通しである、 という記事が出ていたと思います。 一方、 同じく2月半ばに行われた某大手塾のテストでは…

サピックス3月組分けテスト 雑感

今更ですが、たまにはテストについて。 今回の国語はかなり平均点が低く、半分以下となりました。 知識については範囲がないので、 まあ平均としてはこれくらいの点数になってしまうのかもしれないです。 論説文も記号がわりと難しめではあり、 さらに、記述…

2023開成 算数

2023の開成算数がかなり簡単だったということなので、 ざっくりですが解いてみました。 今年の算数の合格者平均点は76.4点。(85点満点) 近年の中ではかなり簡単で差がつかず、 一部では「開成ショック」とも言われた 2018年の算数合格者平均点が73.9点。 …

社会の思考力問題

さて、突然なのですが、 色々と問題が露見しているオリンピックは 3兆円、もしくはそれ以上の経費がかかっているとも言われています。 個人的にはこのお金があれば、いわゆる獣害対策をしたい。 基金を作って食肉加工場建設の補助金を出したり、 ハンターへ…

2023 麻布中 国語

更新に間が空いてしまいましたが、 ひとまずこの記事は書いておきます。 出典は 寺地はるな「タイムマシンに乗れないぼくたち」 「水を縫う」が2021中学入試で大量に出題された作者。 単行本では章ごとに主人公が色々変わる構成になっていましたが、 刺…

「8つの物語 ~思い出の子どもたち」 フィリッパ・ピアス

「トムは真夜中の庭で」で有名な著者の、表題通りの短編集。 2002年の出版なので、著者晩年の作品。 以下、備忘も兼ねた簡単な感想 ◎「ロープ」 1986年(初出?年。以下同じ) 2006年麻布中で出題。 まだ幼さを残した男子の矜持・友情などが瑞々しく描かれて…

ある麻布OPについての雑感

・問題文はなぜかスポーツもの (単純な青春ものでなくほろ苦い要素はあるものの、 約30年ほど、本校では出題されていないテーマに思えます) waldstein1804.hatenablog.com ・同じような内容を何度も (個人的な印象では複数の内容で計5回) 書かせる設問に…

社会(世界遺産) 明治日本の産業革命遺産

先日のサピックス5年生のテストで出題されていたため確認。 「明治日本の産業革命遺産」はかなりやっかいな世界遺産で、 構成資産が8県にまたがっています。 (長崎・佐賀・福岡・熊本・鹿児島・山口・静岡・岩手) このうち、長崎・福岡・山口の出題頻度は…

テスト・入試での危険度(科目別)

最近それなりに時間がなく、更新が滞っていますが、 ふと思ったので書いてみます。 1位 算数 一問の配点が高いためとにかくケアレスミスが命取り。 しかも、(1)を間違えると (2)(3)も芋づるで間違えるという危険もあります。 ・基本・標準問題を早…

4月マンスリー社会

志望校判定も既に終わってしまいましたが、 マンスリーのお話。 社会は平均点43点とかなり低い点数でした。 応用問題が多いサピ社会なので こういうこともたまにありますけど、 ここまでくると、 超トップ生にとっても優先順位の高くない知識 も結構あったよ…

都立高校スピーキングテスト

都立高入試に導入される英語スピーキングテスト。 その問題形式、採点基準などが 現在ベネッセが行っているテストとかなり似ている、という話です。 www.asahi.com www.asahi.com 2つ目と同じ方の記事です。 dot.asahi.com そもそもスピーキングテストを導入…

大学入試と、記号問題の限界?

以前このような記事を書きました。 記号問題というのは、点数が実力通りになりにくい形式である、 という趣旨でしたが、それに関連した話題です。 waldstein1804.hatenablog.com 早稲田大学教育学部入試の国語解答に疑義があるとして、 著者の方が抗議してい…

東大数学の難度と合格層

2021年の東大入試では公立校が躍進したと言われています。 公立トップの日比谷高校は63人。 時代はそういうものかと眺めてみたものの、 「東大数学が易化すると公立校の受験生に有利」 という分析をいくつか見ました。 なるほど。 私立上位校は男子校も多く…

入試の公正

news.yahoo.co.jp 逮捕された人物が答案を隠匿した理由は不明で、 学校と何らかのトラブルがあったのかもしれませんが、 それよりも 「学校は4日ホームページで『答案用紙の紛失を公表することなく、他の科目の点数と調査書などから合否判断していた』と発…

開成中2022 算数

問題はこちら 【開成中学校】2022年入試問題・入試結果速報! | インターエデュ 時間は計っていませんが、ぼちぼち解いてみました。 個人的にはわりと取り組みやすい問題が多めで嬉しいところでした。 去年よりも易化したという手ごたえの受験生が多かったと…

開成2022 国語

出典は森沢明夫「おいしくて泣くとき」 以下雑感。 ・昨年久しぶりに導入された字数制限は継続。 ・文章は物語1題(2013年以来) 平均点は例年と比べても低め。 記述1問の配点が高いので大差がつきやすい。 国語の実力者には有利な印象。 誘導は結構あるため…

アフガニスタン(麻布2022)

下記の記事を書く際に アフガニスタン(アメリカ撤退とタリバン政権)も 載せようと考えていたのですが失念してしまいました。 同時多発テロ絡みと切り口は違いますが 思いっきり国名を書かせる問題が出たので、 もし見てくれた麻布受験生(関係者)がいたら…

共通テスト2022 雑感

先日行われた共通テストについて。 迷走を重ねているこのテストですが なぜか「思考力を問うもの」ということになっているようです。 少なくとも、センター試験よりはそういう方向を目指していると。 しかしそもそも、こうした「膨大な人数が受ける一次試験…

地震の正式名称に注意

阪神・淡路大震災の日ということで、過去記事を振り返り。 気を付けたいのはこうした大災害の場合、 災害としての名称と、 災害を引き起こした地震の名称が違う ケースがあるということです。 落ち着いて解けば大丈夫かもしれませんが、 聞いたことがない名…

「さざなみのよる」

木皿泉著 夫婦でこのペンネームを使って書かれている脚本家の方だそうで。 この作品もNHKのドラマ「富士ファミリー」の前日譚のような立ち位置。 (ドラマは未見) ナスミという43歳の女性が冒頭で亡くなる。 彼女に関わった人たちの物語が1章ずつ紡がれてい…