中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

勉強で身につけたい力

先日の某組み分けテストの記号問題の選択肢(要旨)

 

「大きなタンカーは日本の石油消費量1か月分と同じくらいの石油を運べる」

 

この選択肢ですが、実はテキストに関連記載がありました。

それによると

 

「タンカー2隻で、日本の一日の消費量くらい運べる」

という内容が正解のようです。(正確にはもう少し少ないのかも)

 

もちろん、しっかり覚えていればそれはそれでいいと思います。

 

ですが、入試問題などに

このような細かい選択肢が混ざっていることは珍しくありません。

どう見ても高校日本史で、細かすぎるだろうという設問などもあります。

 

その際にどうアプローチできるのかが本当の力だと思います。

 

今回で言えば、できるだけ身近なものから始めて、

日本の1か月の石油消費量に思いを馳せられるかどうか。

 

・旅行等で車に乗ることがあるならば、

 全国の車の数は大量で、ガソリンも必要なこと

 

・プラスチック(ナフサ)や服(化学繊維)が石油由来であること

(薬はちょっと難しい気はします)

 

・火力発電にも石油が使われていること(今は意外と少ない割合だが)

 

他にも、例えば石油ストーブを使っていれば灯油も身近かもしれません。

 

このあたりから、

上記選択肢の違和感をなんとなく感じ取ってほしいところです。

「さすがに1か月分は無理なのではないか?」と。

 

よくわからないことが書いてあったら、

一回立ち止まって関連知識や社会常識、

一般知識と結び付けられるようになりたいところです。

 

※そうはいってもなかなかできている小学生はいません。

しっかり考える習慣がなかったり、

関連知識や一般常識、社会への興味が不十分なことも多いでしょう。

ですので、指導する機会には

そのあたりを少しずつ刺激していってあげられればと思っています。

こうした力は算数のミス防止にもなりますし、

フェイクニュースを見抜いたりすることにもつながります。

 

 

これさえ身に着けば、

最近増えている多少の思考力問題(用語を覚えただけでは解けない)

も苦にはなりません。

 

むしろ、覚えていなくても解けるので、

難化でもなんでもないということになります。

 

もし、特に言わなくてもこれらが勝手にできているようでしたら

思考力問題の多い学校に向いていると思います。

 

ちなみに、とても細かい内容が出て、

消去法でも常識や思考力でも解けそうにない、

という問題は捨て問ですので全く気にする必要はありません。