2023の開成算数がかなり簡単だったということなので、
ざっくりですが解いてみました。
今年の算数の合格者平均点は76.4点。(85点満点)
近年の中ではかなり簡単で差がつかず、
一部では「開成ショック」とも言われた
2018年の算数合格者平均点が73.9点。
(この年は国語もかなり斬新な出題で、その分インパクトがありました)
確かにしっかり解けば
ほとんどの問題は苦戦せず解けるレベルかと思います。
ところがその「しっかり解けば」というのが問題で、
実際受験者平均点は61.7点と15点くらいの差がついています。
さらに言うと、
開成のHPには載っていませんが、
受験者数(1193人)と合格者数(419人)からおおよそ計算すると
不合格者のみの算数平均点は56~7点くらいかと思われます。
受かった人は算数平均76点。落ちた人は平均56点。
今年の問題に難問はほとんどないはずなので、
差がついた原因は
「取れそうな問題をしっかり取れるか」
ということでわかりやすかったかと思います。
正直なところ、自分も入試本番の受験生とは
比較にもならないほど適当に解いているので、
(時間計っていない、PC画面なので集中しにくい、
図形に書き込みできない、結構暗算したりなど)
例えば大問1では単純な計算ミスもしていましたし、
大問2は10秒くらいで、さすがにこれじゃダメかな、
と思いながら極めて雑に答えを出して間違ったりしています。
(反省して少しちゃんと考えれば、本当にあっさり解けましたが)
どこの学校を受ける場合でもそうですが、
取れそうな問題をしっかり取る(正答率90%くらい目安)のは
かなり大変なことであり、
それができれば合格は結構近いと言ってもいいと思います。
おまけ。
下の記事で「社会の合格者平均点は8割に届かない」
という旨を書きましたが、最近は東京問題が出ない上、
今年は例年よりもやや簡単だったため、ついに8割を超えてしまいました。
開成の合格には理社9割を目指すのが早道です。
理由は、配点がかなり高い(算国85点に対し、理社70点もある)上に、
算・国と比べて圧倒的に簡単だからです。
(今年の算数と比べても相対的に易しいと思います)
開成は作問のブレが大きいので、
たまに大問全て骨がある問題が出題されれば、
難問のパターン知識とか、思考力が重要になり、
逆に今年のように算数が簡単だと、
(理社も併せて3科目易しいので)特別な対策が必要な難関校、
というよりは、いかにミスをしないか、
という高得点勝負の学校になってしまいます。
方針が立てにくいですが、
いずれにしろ取れる問題は取らないと勝負するところまで行けませんので、
そこが一番大事だということは変わらないのかな、と思います。
なお、国語に関してはあまりできない人が多く、
算数で稼いで受かっている人も結構いるのだと思いますが、
丁寧な説明、適切な気持ち言葉、主語や目的語の抜け、
誤字脱字のチェックなどによって、
当然ですが、実力者とは結構差がつくとは思います。
他の学校でもそうですが、入試までにどう配分するか
(算数にどれだけ、国語の記述強化にどれだけ、など)
は本当はかなり難しいですね。
(算数は本人も苦ではない、国語はどうやっていいかわからない、
という感じで算数中心の人も多いと思います)
塾ですら、総合的な判断はあまりしてくれないと思います。
例えば宿題を見ても、
基本的に全員一律で、個々人の得意・不得意は考慮されていないので、
(そこまで対応できない)
そのあたりは集団塾の限界ですね。
※集団塾でも、いい先生と出会えれば
親身になってくれることもありますけれど。