中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

「さざなみのよる」

木皿泉

 

夫婦でこのペンネームを使って書かれている脚本家の方だそうで。

この作品もNHKのドラマ「富士ファミリー」の前日譚のような立ち位置。

(ドラマは未見)

 

ナスミという43歳の女性が冒頭で亡くなる。

彼女に関わった人たちの物語が1章ずつ紡がれていくというスタイルではあるが、

ナスミという女性は非常に気持ちのいい人物であり、

あまり湿った感じにならない。

 

テーマからして構えてしまったものの、

意外にさわやかに読み進めることができました。

 

 

2020年に聖光学院で出題されたのはナスミの中学時代。

共に喪失感を抱えていた男子とのエピソード。

 

なるほど、まあここはわりと出しやすいところかと思います。

 

 

さらに、某テストで終盤のシーンからの出題を確認。

日出男(ナスミの夫だった)と後妻との娘、光(8歳)の視点が描かれる章。

 

人間関係が複雑であり、中盤から描かれている柱時計のエピソードも

ここだけ読むと唐突に感じて戸惑う。

そのあたりも意図的に出しているのでしょうが、

テーマも含めてなかなか難しい問題でした。