中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

2024 麻布中 国語(簡単な感想と、著者名について)

麻布の入試問題は小学校3年が主人公。

2023年は久しぶりに(2012以来)主人公が小学生男子に戻りましたが、

今後、この路線が復活するんでしょうか。(王道ですけどね)

 

しかも今回はさらに若返り、低学年。

正直、意外でした。

 

内容については、

確かに麻布らしいところもあることはあるのですが、

その点はまた改めて。(又は授業で教える際に・・・)

 

 

※以下、公式HPで訂正済みということが書いた後で発覚

 

また、四谷大塚の過去問データベースによると

実際の問題用紙では、

 

著者名が「宮下みこと」

作品名が「やさしいの書き方」

となっています。

 

しかし、この語句の組み合わせでは検索に全くヒットしません。

生徒の作品(立教池袋中で見かけます)とかでない限り、

普通は一般著作物からの出題だと思いますが、

これだけ何もないのはおかしい。

 

ということで誤植を疑いまして、

宮下→真下で検索してみたらヒットしました。

 

真下みこと著 「やさしいの書き方」 

どうやら、小説宝石という雑誌に寄稿した短編と思われます。

 

しばらく悩んでいましたがスッキリしました。

 

 

 

・・・と思って頑張って書いていたのですが、

確認したところHPで訂正されていましたね。

 

著者名の誤植というのはさすがにあまり見ないので、

しっかりして欲しいものだと思います。

(時間も返してください・・・)

 

下記はご参考まで。

 

waldstein1804.hatenablog.com

 

勘合貿易

しばらく前に見た出題の備忘録。

 

勘合貿易1404年に始まったというのは

中受でも出るようになってしまった?内容ですが、

 

※「15世紀に起きた出来事を選べ」とかで出たりします。

並べ替えならともかく、年号自体はそれほど重要でもない気がしますが・・・

 

足利義満勘合貿易を行ったのは

征夷大将軍譲位後とのこと。

 

この点が誤りの選択肢として出題されていましたが、

さすがに捨て問ということでいいでしょう。

 

 

芥川賞の「共食い」とは別

今更ながら、今年の直木賞は河崎秋子さんなのですね。

 

少し前の東邦大東邦中入試で出題されていました。

(「土に贖う」所収の「頸、冷える」という短編)

 

出題されている箇所だけでなく最後まで読んでみましたが、

人間の怖さだけでなく、

衰退していく北海道の空気感も伝わってくるというか、

とにかくかなりの迫力を感じる作家さんで、印象に残っていました。

 

道東の別海町出身ということで、

今回の受賞作「ともぐい」も「土に贖う」同様北海道の話ということ。

 

余裕が出来たら少し読んでみたいなと思っています。

(中受において)国語のおかれた位置と対策私案?

突然ですが、国語の勉強時間はどれほど取っているでしょうか。

勉強時間、今回は漢字ではなく文章読解についてです。

 

1.あまり勉強していないが、国語は得意である。

2.十分に取っていて、国語は得意である。

3.十分に取っているが、国語は苦手である。

4.あまり勉強していないし、国語は苦手である。

 

大まかにいうとこの4つのパターンになるかと思います。

(結果的に色々雑感を書いてしまっていますが、

当初想定していた内容は4のパターンについてです)

 

※「得意でも苦手でもなく及第点である」という人もいると思いますが、

「大きな問題はない」というくくりで、一応「得意」の分類に入れさせて下さい。

 

1→意図して真似することは難しいかもしれませんが、

 確かにこういう人もいますね。

 男女で言えばおそらく女子に多いタイプ。

 自分の経験に偏っているかもしれませんが、

 読書量と質の影響はかなり大きいと思っています。

 

 ※私は直接お目にかかったことはないのですが、

 SNSなどを見るところ、

 「うちの子は読書はあまり(ほぼ)していないが

 何もしなくても国語の成績がいい、良かった

 という方も中にはいるようです。

 (もちろん、真偽はこちらでは確認できません)

 

 ・語彙はちゃんとやっており、得意

 

 ・高い集中力(文章をしっかりと読める)がある

 

 ・論理力が高い、対比を意識できる、

  論説文の頻出テーマを頭に整理しておける

 (1回習えば取り出せるようになる)

 

 ・物語に共感はしない(できない)が、お決まりの展開

 (友情もの、家族もの、多様性ものなど)を把握する力が高い

 (1回習ったら同じパターンに応用できる)

  

  といったところでしょうか。

  読書と無関係にそういう能力を持った人がいるということはあり得ると思います。

  かなりの特殊事例なのであまり参考にはならないでしょうが・・・

 

 

2→頑張っていて素晴らしいです。この調子で。

 

3→成果が出ていない原因は何かを分析することが必要でしょう。

 例えば、本人にやる気がないのに負荷が高いもの(要約など)

 を取り組ませても、まずやり始めるまでに時間がかかるなど、 

 効果が薄くなりがちです。

 

 また、一口に国語の力といっても、

 

 設問を解く力については、

 意欲的に練習すれば(小学生なので、それ自体もとても難しいですが)

 比較的短時間で対応することも可能です。

 

 一方、読む力(本人の語彙力、文章を読むための集中力、背景事情の知識、

 自分と違う考え方を客観視する力など)が

 大きく不足している場合は時間がかかります。 

 

 状態によっては、受験までに及第点(他の受験者に大きく差を付けられないレベル)

 に持っていけないということも、わりとよくあると思います。

 

 そうならないよう、

 受験が始まる前に一定の語彙力などをつけておくとかなり楽なのですが、

 実行するのが大変なこともあってか、

 あまり(ほぼ?)注目されていないように感じます。

 

 

4→中学受験生あるあるでしょう。

 算数は時間をかけないといけないし、

 理社はやっておかないと組み分けがボロボロになるし、

 国語は漢字(と、一部の塾は宿題として文章題を週に1題程度)で精一杯。

 

 まあ5年生だと大半の人がこうなっているかなと思います。

 では4年生ならまだ余裕があるかというと、

 4年だとまだがっつり習い事している子も多いので、

 同じような状況の人も結構多いと思います。

 

本来、算数と同じように

ある程度の時間をかけるべき重要な科目なはずなのですが、

 

算・理・社と違って毎回初めてのことを習うわけではない

(接続詞の使い方、など丁寧に見れば初めてのこともあるかもしれないが、

 やらなくても点数への影響が小さい)

 

適当に受けてもある程度の点は取れる、取れてしまうという科目の特質

(記号問題が一定以上ある、漢字や知識の配点がある、

 傍線部の近くや、文章の最後をほぼ写しておけば部分点が取れる記述問題)

 

という科目特性から放置されてしまうわけです。

 

毎日1題、できれば2日に1題は文章題を解くべき」

 

「国語の勉強時間は、

 男子の場合:算数と同じ時間 

 女子の場合:算数の半分取るように」

 

といった正論も見たことはありますし、

個人的にも理想的だとは思うのですが、

苦手科目なのに勉強時間がダントツに少ないってどういうこと?

普通の中学受験生では、ほぼ実現不可能だという現状もあるわけです。

 

※なんでそうなっているんでしょうね・・・

最近はやりのスパイラル方式の一番の犠牲者が国語のような気もしますが・・・

「受験は算数で決まる」とか言われてね。。。

そりゃだってかけてる勉強時間も5倍、10倍じゃないかっていう。

(算数は1問の配点が高いので少しのミスが得点を大きく左右する、

ということはわかっています)

 

 

そこで、家庭学習を増やせないのであれば、という策として、

 

「早いうちに国語の解き方や読み方を意識してもらい

 塾の問題演習を有効活用して欲しい」

(右サイドバーのプロフィール記載事項)

ということになるわけです。

 

もっとも、その解き方や読み方というのは、

早い時期ほど意識しない(興味がない)生徒が多いです。

国語の成績はどうでもいい、という男子なども意外と多いですからね。

 

興味がないわけじゃないけどテストではほぼ実践できない、

そもそも時間が足りないから無理、ということもよくあります。

 

色々と解決法自体はわかっているのですが、なかなか難しいところです。