中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

サピックスについて

各塾の紹介に関しては既に先達がたくさんいるでしょうし、

特別に詳しい情報を提示できるわけでもないのですが、

少し書いてみます。

 

近年、圧倒的な合格実績を掲げる大手塾。

 

生徒数も右肩上がりのようで

 

2016年に在籍者が5000人を超えると

2019年約5500人、2020年約6000人

 

現5・6年生はおそらく7000人近く(模試の結果から)に急増している。

 

以下、少し雑感を交えた特徴

 

全体

 

・カリキュラムは比較的早め

・御三家志望など、成績上位者の比率が高い

・男子の割合がわりと高い

・通常授業点でクラス替えがある!など、非常に競争重視

 

テキスト

 

・予習シリーズのような本にはなっておらず、

 毎回の授業で小冊子を配る形式

サピックスの売りの一つ

・予習は一切不要。というかテキストがないので、事前にやりづらい

(・予習しなくてもついてこれることが前提ともいえる)

 

・算数は復習用に同じ問題が掲載されており、取り組みやすい

・上位志望向けの塾だが、

 算数テキストが群を抜いて難しいというわけではない

(大手では、四谷の「応用演習問題集」には

 4年生で御三家の問題が載っていたりする)

 

・理社は、コラムなどに深い内容も含んでいる

・表紙などはカラー写真

 

・国語の副教材である言葉ナビは優秀

・国語はAテキスト(語彙、記号などの総合)、

 Bテキスト(ほぼ記述)に分かれているのがかなり独特な特徴。

 

・Bテキスト自体はいい教材であるものの、

 文章が非常に長く、難度も高め。

 大半の学校志望者にとってはオーバーワーク。

 必須授業となってしまっているが、

 本当はAテキストや副教材の国語の要をやるほうがよいと思われる。

 

 逆に言えば、

「うちはこのBの演習が必要な学校を目指す人向けです。

テキストもそれが売りです。そうじゃない人向けのフォローはしません。

勝手についてきてください。」ということ。

 

・国語Aテキストのコトノハの解説は詳しい

(ただし、テストの頻度は高くなく、しかも出題量は少ないので、

 普通にやっていて高い語彙力がつく、というわけでは全くない)

 

・テキストの上記形式から、非常に復習しにくい

(単元ごとにいちいち引っ張り出してこなければならない)

 

テストについて

 

・テストは基本月1+αのイメージ

・レベル分けなどはなく一律

・上位の生徒が多いため、問題も一定レベル以上、

 また、非常に偏差値が辛くでる

 

・さらに、例えば社会では基礎事項を素直に聞く出題が少ないので、

 他塾と比べ基本中の基本が身に付きにくい

(そうした内容は授業の小テストで完璧にしてほしい、

 という意図も感じられるが)

 

・よく言えば実践的だが、下位層からすれば勉強しても点にならないので、

 もともと偏差値が辛いことも相まってモチベーションが低下しやすい

 

・仮にそうした事態になっても基本的にフォローはない

 上位校重視の方針からすれば当然といえば当然

 転塾もあまり引き止められない(らしい)

 

・国語では、一部分野・形式が非常に軽視されているため、

 志望校によっては独自の対策が必要

 

・例えば、詩や俳句を単独で出題するテストがない

(この点、毎週テストがある四谷大塚などでは

その週にやった詩などが当然テストに出題される。

当然そのテスト対策を各自するので、結果的に手厚く学習する)

 

文学史、会話文の並べ替え、段落分けのツリー形式、

 複数の脱文を並べ替えて補充させる、

 などの出題形式に触れることがほぼできない。

 

親のサポート関連・その他

 

・お弁当不要

・集中を促すという名目で、授業間の休み時間はない

 (トイレは挙手していく)

・予習、親塾は完全に不要(塾の方針は。ついていけるかどうかは人による)

 

・テキスト量が膨大になり、管理がとても大変

・5年で1回90分2コマ、週3回。

 6年生で1回80分3コマ、週2回+土曜は75分4コマ

 なんだかんだいって結構拘束時間は長く、1回の授業も長め。

 

上位校志望の子、競争心のある子、反骨心のある子、

テキストの整理ができる子、親に時間的余裕がある家庭、

サピックスが前提・自助努力と考えているであろう基礎的能力

(計算力、語彙力、事務処理能力)がある程度しっかりした子、

1コマが長い授業時間に耐えられる子、などに向いている。

 

テキストの全てをこなすことは難しいので、

どこを優先して復習すべきか先生が指示した通りちゃんと記号をつけてくる、

自分でテキストを引っ張り出してテスト範囲を復習する、

といったことはできなければならない。

(できないとやむなく親がやることに。

 それくらいやってほしいところだが現実は・・・)