中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

勘合貿易

しばらく前に見た出題の備忘録。

 

勘合貿易1404年に始まったというのは

中受でも出るようになってしまった?内容ですが、

 

※「15世紀に起きた出来事を選べ」とかで出たりします。

並べ替えならともかく、年号自体はそれほど重要でもない気がしますが・・・

 

足利義満勘合貿易を行ったのは

征夷大将軍譲位後とのこと。

 

この点が誤りの選択肢として出題されていましたが、

さすがに捨て問ということでいいでしょう。

 

 

芥川賞の「共食い」とは別

今更ながら、今年の直木賞は河崎秋子さんなのですね。

 

少し前の東邦大東邦中入試で出題されていました。

(「土に贖う」所収の「頸、冷える」という短編)

 

出題されている箇所だけでなく最後まで読んでみましたが、

人間の怖さだけでなく、

衰退していく北海道の空気感も伝わってくるというか、

とにかくかなりの迫力を感じる作家さんで、印象に残っていました。

 

道東の別海町出身ということで、

今回の受賞作「ともぐい」も「土に贖う」同様北海道の話ということ。

 

余裕が出来たら少し読んでみたいなと思っています。

(中受において)国語のおかれた位置と対策私案?

突然ですが、国語の勉強時間はどれほど取っているでしょうか。

勉強時間、今回は漢字ではなく文章読解についてです。

 

1.あまり勉強していないが、国語は得意である。

2.十分に取っていて、国語は得意である。

3.十分に取っているが、国語は苦手である。

4.あまり勉強していないし、国語は苦手である。

 

大まかにいうとこの4つのパターンになるかと思います。

(結果的に色々雑感を書いてしまっていますが、

当初想定していた内容は4のパターンについてです)

 

※「得意でも苦手でもなく及第点である」という人もいると思いますが、

「大きな問題はない」というくくりで、一応「得意」の分類に入れさせて下さい。

 

1→意図して真似することは難しいかもしれませんが、

 確かにこういう人もいますね。

 男女で言えばおそらく女子に多いタイプ。

 自分の経験に偏っているかもしれませんが、

 読書量と質の影響はかなり大きいと思っています。

 

 ※私は直接お目にかかったことはないのですが、

 SNSなどを見るところ、

 「うちの子は読書はあまり(ほぼ)していないが

 何もしなくても国語の成績がいい、良かった

 という方も中にはいるようです。

 (もちろん、真偽はこちらでは確認できません)

 

 ・語彙はちゃんとやっており、得意

 

 ・高い集中力(文章をしっかりと読める)がある

 

 ・論理力が高い、対比を意識できる、

  論説文の頻出テーマを頭に整理しておける

 (1回習えば取り出せるようになる)

 

 ・物語に共感はしない(できない)が、お決まりの展開

 (友情もの、家族もの、多様性ものなど)を把握する力が高い

 (1回習ったら同じパターンに応用できる)

  

  といったところでしょうか。

  読書と無関係にそういう能力を持った人がいるということはあり得ると思います。

  かなりの特殊事例なのであまり参考にはならないでしょうが・・・

 

 

2→頑張っていて素晴らしいです。この調子で。

 

3→成果が出ていない原因は何かを分析することが必要でしょう。

 例えば、本人にやる気がないのに負荷が高いもの(要約など)

 を取り組ませても、まずやり始めるまでに時間がかかるなど、 

 効果が薄くなりがちです。

 

 また、一口に国語の力といっても、

 

 設問を解く力については、

 意欲的に練習すれば(小学生なので、それ自体もとても難しいですが)

 比較的短時間で対応することも可能です。

 

 一方、読む力(本人の語彙力、文章を読むための集中力、背景事情の知識、

 自分と違う考え方を客観視する力など)が

 大きく不足している場合は時間がかかります。 

 

 状態によっては、受験までに及第点(他の受験者に大きく差を付けられないレベル)

 に持っていけないということも、わりとよくあると思います。

 

 そうならないよう、

 受験が始まる前に一定の語彙力などをつけておくとかなり楽なのですが、

 実行するのが大変なこともあってか、

 あまり(ほぼ?)注目されていないように感じます。

 

 

4→中学受験生あるあるでしょう。

 算数は時間をかけないといけないし、

 理社はやっておかないと組み分けがボロボロになるし、

 国語は漢字(と、一部の塾は宿題として文章題を週に1題程度)で精一杯。

 

 まあ5年生だと大半の人がこうなっているかなと思います。

 では4年生ならまだ余裕があるかというと、

 4年だとまだがっつり習い事している子も多いので、

 同じような状況の人も結構多いと思います。

 

本来、算数と同じように

ある程度の時間をかけるべき重要な科目なはずなのですが、

 

算・理・社と違って毎回初めてのことを習うわけではない

(接続詞の使い方、など丁寧に見れば初めてのこともあるかもしれないが、

 やらなくても点数への影響が小さい)

 

適当に受けてもある程度の点は取れる、取れてしまうという科目の特質

(記号問題が一定以上ある、漢字や知識の配点がある、

 傍線部の近くや、文章の最後をほぼ写しておけば部分点が取れる記述問題)

 

という科目特性から放置されてしまうわけです。

 

毎日1題、できれば2日に1題は文章題を解くべき」

 

「国語の勉強時間は、

 男子の場合:算数と同じ時間 

 女子の場合:算数の半分取るように」

 

といった正論も見たことはありますし、

個人的にも理想的だとは思うのですが、

苦手科目なのに勉強時間がダントツに少ないってどういうこと?

普通の中学受験生では、ほぼ実現不可能だという現状もあるわけです。

 

※なんでそうなっているんでしょうね・・・

最近はやりのスパイラル方式の一番の犠牲者が国語のような気もしますが・・・

「受験は算数で決まる」とか言われてね。。。

そりゃだってかけてる勉強時間も5倍、10倍じゃないかっていう。

(算数は1問の配点が高いので少しのミスが得点を大きく左右する、

ということはわかっています)

 

 

そこで、家庭学習を増やせないのであれば、という策として、

 

「早いうちに国語の解き方や読み方を意識してもらい

 塾の問題演習を有効活用して欲しい」

(右サイドバーのプロフィール記載事項)

ということになるわけです。

 

もっとも、その解き方や読み方というのは、

早い時期ほど意識しない(興味がない)生徒が多いです。

国語の成績はどうでもいい、という男子なども意外と多いですからね。

 

興味がないわけじゃないけどテストではほぼ実践できない、

そもそも時間が足りないから無理、ということもよくあります。

 

色々と解決法自体はわかっているのですが、なかなか難しいところです。

テスト慣れのメリット?

以前見た過去問より。(要旨)

 

北海道の面積は日本の約(あ)を占めている。

(あ)に当てはまるものを以下から選びなさい。

 

ア 2分の1 イ 3分の1 ウ 4分の1 エ 5分の1

 

 

うーん、どれが正解なんだろうと思ってしまいました。

 

 

令和4年7月1日付の面積(国土地理院)で、

 

日本の面積:37万7973㎢

北海道の面積:8万3423㎢ 

 

で、占める割合は22.07%

 

4分の1と5分の1の中間は22.5%なので、

確かに5分の1の方が近い。

 

でもこんな僅差の数字など、聞く意味がほぼないような・・・

なんでこんな問題出したのだろう。

 

参考サイト(さすがに細かい!)

全国都道府県市区町村別面積調 | 国土地理院

 

都道府県面積

(全国上位の都道府県など)

 

一応、もし出題者が北海道の面積を北方領土を除いて想定していた場合、

78000㎢くらいになるので正解は明確に5分の1となる。

 

ただ除かれているか否かの判断材料は特にないし、

そもそもこれもあまり聞く意味はなさそう。

 

うーん。

 

こういうことはそこそこありますが、

本当にひどい場合だと、そもそもの統計資料自体が間違っていたり。

(※「日本の輸出品の割合」という資料で、第1位が石油!)

 

テストに慣れているとこういった、

「どういう根拠で解いていいのか悩む問題(悪問)」

「明らかな出題ミス」

 

にも、ある程度は動揺を抑えることができるかなとは思います。

そもそもこういう出題自体がない、というのが一番なのですが・・・