中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

過去問と同じ出題

埼玉大学の2024入試英作文で2年前(2022)と同じ問題が出た、

というニュースを見ました。

 

確かに良質の過去問を作るのは大変だと思いますが、

2年前のものとはやや驚きました。

本命の人は絶対に一度取り組んでいると思いますから。

 

以下少し思ったことなど。

 

昨今、少子化によって大学経営が厳しくなっているといわれており、

私立大学では総合型選抜や、指定校推薦の枠を拡大する動き

(高大連携とかも含め)などが活発です。

 

入学してくれるのか動向の読めない一般入試組よりも、

「必ず入学してくれる人」をいわば『優先』する

入試制度になってきています。

 

そういう意味でこのように過去問をそのまま出すというやり方も、

 

過去問対策をしっかりやった人が圧倒的に有利

⇒「第一志望(必ず入学してくれる)の人を優先する取り組み」

 

の一つなのかもしれないなと。

 

埼玉大学は国立大学なので

私立と比べれば本命率は比較的高い気もしますし、

もちろん真意はわかりませんが。

 

私立大学でもこういうことがより増えていくのかどうか、少し気になります。

 

 

さて、中学入試でも

同じように2年前の過去問がそのまま出ることはあるのか?

 

 

結論としては、あると思います。

 

つい最近も、図形は一応少しだけ違いますが、

解き方は全く同じ2年前の問題が出ていたのを見ました。

 

・複数回入試をしている

(問題を考えるのが大変、全単元をすぐ使い尽くしてしまう)

 

・偏差値がそう高くない(非典型題である応用問題は出せない)

 

といった学校は、同じ問題が比較的出やすいと思っています。

さすがに、数値替えくらいはされているかもしれませんが。

 

また過去問については

 

・第一志望の過去問は5年分(最新年度の過去問1冊分?)で

 それ以下の学校は2~3回でいい

 

・過去問と同じ問題は本番では出ないからそれほど重視しない

 

といったようなご意見もありますが、

個人的には、過去問は時間的に可能なら比較的多めにやってもいいのでは?

と思っています。

 

(社会は時事問題を理由に「古いものはあまりやらなくていい」

 という言説もありますが、誰かにしっかり見てもらって、

 再現性のなさそうな時事部分は気にしなければいいだけで、

 別にやってもいいと思います。

 例えば、過去のサミットや五輪、首相についてなども折に触れ出題されますから、 

 古い内容でも役立つものもありますし)

 

特に国語については、通常のテストでも時間配分が大変です。

 

いつも最後まで解き終わっているよ、という人はともかく、

何度も練習機会があったにもかかわらず毎回解き終わらない

(途中の抜き出し問題を飛ばしたなど、

 解き終わっていないのが捨て問であればまた別)

というような人は、過去問で時間配分をよく練習する必要があるでしょう。

直前対策の有効活用と社会の戦略

国社を指導していたA君。

(2人の家庭教師で科目別というケースも結構あります)

 

大詰めの1月31日に指導する機会がありました。

 

1.社会は得意なものの、

 (指導前と比べ、偏差値は平均で10程度向上したと思います)

  自分から地図を見ることがないのが弱点

 

2.中でもわりと苦手だと把握していた北海道を対策

 

その後本命校の入試で北海道が出題され、結果はめでたく合格。

中でも、丁寧に確認した宗谷岬はそのまま聞かれたようです。

 

まあこういうことは運の要素も大きいため

そうそうはないでしょうし、特にアピールするつもりもないのですが、

 

それでも、上記1や2を把握できていないと

地図が苦手だと知らないので対策しない

北海道が苦手だと知らないから、対策しない

ということになるので、弱点補強の期待値はだいぶ下がると思います。

 

直前対策のみのご依頼も時々いただいており、

ケースによってはとても効果を発揮することもあります。

読解力はしっかりある子に、設問の解法を教える場合など。

 やや特殊なケースではありますが過去問の点数が30点くらいは簡単に上がりました。

 それはそうだと思います。本来内容はわかっているのに、

 時間配分の失敗、選択肢のひっかけ、抜き出しや記述文末の不正確さ

 などでぼろぼろ落としているわけですから)

 

ただ多くの場合では

上記1・2のような内容を多く把握できているほど効率の良い補強ができます。

 

大手塾の強みであるカリキュラムは既に終了しており、

ある意味一番家庭教師の意義が高まるのが直前期とも言えますから、

有効に使っていただければと思っています。

 

また「地図を見ろ」というのは

地理の単元において塾からも常に伝えられている内容だと思います。

 

もちろん全く見ないよりは遥かにましですが、

ただ漫然と眺めていればそれでいいというものではありません。

 

鉄道が好きな子はなぜ地理(の一部?)に強いのか。

それは興味を持って眺めているからです。

どこまで新幹線が延伸するのか、リニアのルートはどこか。

 

しかし、普通のお子さんはそこまでの興味がありません。

 

また「塾で話があった内陸県はどこかな?調べておこう」などと

「元々の興味はないものの、学習のために自分から意欲的に眺める」

ということも普通はなかなか無理です。

 

でもそういったことをフォローしてもらえるのが家庭教師の良さですので、

例えばテスト直しだけでも一緒にやると良いのではないでしょうか。

 

優先順位の問題で社会のみというご依頼はなかなか難しいかもしれませんが、

社会を人に優る武器にまで持っていく戦略というのも、

1つの有効な選択肢ではないかな、とは思っています。

具体と抽象(レベル別)

国語で意識すべきだというポイントとして、

よく具体と抽象が挙げられます。

 

例えば「みかん」や「りんご」は具体であり、

「果物」は抽象であるといった具合です。

 

特に記述において必要になってくるわけですが、

 

記述が全然できない人の課題の一つは、

抽象化に手こずるというところです。

「抽象的な用語をそもそも知らない」(から当然使えない)

という場合ももちろんあります。

 

一方、ある程度レベルが上がってくると、

逆にまとめすぎてしまうことがあります。

 

先ほどの例で言えば「みかん」と「りんご」だから

出題者は「果物」と答えて欲しいのに

「食べ物」と答えるような感じですね。

 

うーん、確かに間違いではないんだけど、0点かも。

というところです。

 

ここまでではなくても、ちょっとしたずれがあると

難関校の記述では差がついてくると思います。

 

大雑把になりすぎることなく、適切に、

というのはなかなか難しいですが、

一緒に実践演習していくのは楽しいものです。

2024 麻布中 国語(簡単な感想と、著者名について)

麻布の入試問題は小学校3年が主人公。

2023年は久しぶりに(2012以来)主人公が小学生男子に戻りましたが、

今後、この路線が復活するんでしょうか。(王道ですけどね)

 

しかも今回はさらに若返り、低学年。

正直、意外でした。

 

内容については、

確かに麻布らしいところもあることはあるのですが、

その点はまた改めて。(又は授業で教える際に・・・)

 

 

※以下、公式HPで訂正済みということが書いた後で発覚

 

また、四谷大塚の過去問データベースによると

実際の問題用紙では、

 

著者名が「宮下みこと」

作品名が「やさしいの書き方」

となっています。

 

しかし、この語句の組み合わせでは検索に全くヒットしません。

生徒の作品(立教池袋中で見かけます)とかでない限り、

普通は一般著作物からの出題だと思いますが、

これだけ何もないのはおかしい。

 

ということで誤植を疑いまして、

宮下→真下で検索してみたらヒットしました。

 

真下みこと著 「やさしいの書き方」 

どうやら、小説宝石という雑誌に寄稿した短編と思われます。

 

しばらく悩んでいましたがスッキリしました。

 

 

 

・・・と思って頑張って書いていたのですが、

確認したところHPで訂正されていましたね。

 

著者名の誤植というのはさすがにあまり見ないので、

しっかりして欲しいものだと思います。

(時間も返してください・・・)

 

下記はご参考まで。

 

waldstein1804.hatenablog.com