中学受験生なのだから、
算数の悩みはそれなりに高度なことだろう、
小学校の範囲はみんな余裕で完璧だろう、
いやいや、そんなことはありません。
小学校の範囲で躓いている人の例として
・概数が危ない
・単位換算が危ない
・最小公倍数が危ない
・三角定規の性質がわかっていない
などがあげられます。
今回は最小公倍数について
さすがに、中学受験生では
最小公倍数の問題で一番単純なもの、
例えば「2と3の最小公倍数はなにか」
といった問題を間違える人はまずいません。
怪しい人がいるのは、
「たて4㎝、横7㎝の長方形の紙があります。
これをたくさんしき詰めて、もっとも小さい正方形を作るとき、
紙は何枚いりますか」
というものです。
小学校のテストで出た記憶があります。
丁寧に書くと、
各辺を4と7の最小公倍数である28㎝にしなくてはなりませんので、
たては28÷4=7枚、横は28÷7=4枚、それぞれ必要です。
よって答えは7×4=28枚となります。
一瞬、それこそ1秒で解けるようなら問題ありませんが・・・
本人の状況はどうでしょうか。
※ちなみに、
この問題は「もっとも小さい正方形」なので簡単ですが、
中学入試では「2(3)番目に小さい正方形」とされる可能性もあります。
正方形になる1辺の長さは、
4と7の公倍数である28㎝、56㎝、84㎝・・・・となりますので
指定された〇番目に合わせればいいのですが、
またこれもできない人がいます。
学校で最小公倍数は一応習い、学校テストは
(100点ではないかもしれないが)なんとかこなした、
しかし最小公倍数を「使いこなせる状態」には
全く到達していないのですね。
また、上記のような平面の問題が何とかなっている人でも
立体にされると手が止まることがあります。
「たて4㎝、横3㎝、高さ5㎝の直方体があります。
これをたくさん使ってもっとも小さい立方体を作るとき、
直方体は何個必要ですか」
先ほどの問題に高さが加わっただけで考え方は同じですが、
結構手が出ないです。
この場合、
各辺の長さである4、3、5の最小公倍数は60ですので、
立方体の1辺を60㎝にする必要があります。
ということで、割り算は省略しますが、
15×20×12=3600個必要ですね。
この問題は時々出ますが、
原理は小学校で習う最小公倍数の範囲に毛が生えたようなものです。
首都圏模試の後半の問題でも見た記憶があります。
いかがでしょうか。
一番最初の問題、2番目に大きい正方形、立体、
いずれも「瞬殺」できるのであれば特に心配はいりません。
解き方が全くわからない、試行錯誤して思いついた、
計算が遅すぎる、という人は要注意だと思います。