中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

都立高入試・社会⑥

大問5は公民です。

 

公民でのポイントは大問1の人権のところで触れています。

人権の系統図が書けるようになってほしいということです。

 

中学受験でもそうなることが望ましいですね。

 

他には地方交付税交付金と国庫支出金の違い(自由に使えるかどうか)

くらいで、基本事項を押さえておけば問題ないでしょう。

 

2019の出題は

 

問1:記述 所得倍増計画の時期の月間現金収入、

      及び物価についてのグラフを見て、

      読み取れることを書くもの

 

歴史で背景知識を持っている人も多いでしょうし、易しいと思います。

模範解答もかなり簡素で、

収入の伸び>物価上昇という関係に触れ、「豊かな生活ができている」

と書けば問題なし。

 

問2 統計の読み取りですが、これも易しいです。

  「2015年まで減少傾向」を満たすものはアしかないですね。

 

問3 各税収の折れ線グラフの読み取り。 

  「世界金融危機後の2年間で6割下落した」とありますが、

  リーマンショックがいつごろか、すら知らなくてもできてしまいます。

  2年で6割も下落しているものは一つしかないから。

 

問4 両院協議会がいつ行われるのかについて聞いてくる問題。

   各議院の議決が割れた場合に開かれる、と押さえていれば簡単。

   ただ、もしわかっていなくても自然に選べるのではないかと思います。

   

   全体的に公民分野は人権の分類以外はあまり難しくないです。

   トップ校はもちろん、中堅くらい志望でも落とすと痛いので、

   取りこぼさないようにしましょう。

 

 

大問6は総合問題です。

世界遺産がテーマでそれについて聞いてきたこともありますし、

2019のように、一応テーマは技術ですが、

ただの切り口にすぎないものもあります。

 

基本はそう難しくないので社会全般をしっかりやっておけば全部解けます。

 

問1は世界地理の問題ですね。

地図上にA~Dの国が示され、それぞれ説明文ア~エを選べと。

A~Dはエクアドルケニア、そしてドイツとフランスです。

ドイツ・フランスの場所は一般常識と言われても仕方がないレベルですし、

赤道が通っている国」ということで

都立高校入試の定番中の定番エクアドルケニアも常識です。

(他に覚えるべきは、アジア地域ではシンガポール直ぐ下、

 またはインドネシアを通るということ)

 

ア 「世界各地に複数の植民地を有していた」

  「1789年に人権宣言を発表し王政から共和政に」

 

まあフランスとわかってほしいところ。

インドシナ半島の国がフランス領だったというのを

知っているかどうかはこういうところでも生きてきます。

(この問題は、後者でもわかるとは思いますが)

 

イ 「ダーウィンが調査に訪れた諸島が領土に含まれる」

 

わかる人はこれでエクアドルとわかりますが、まだ不安な人は

インカ帝国が滅ぼされた後にスペインの支配を受け」で、

インカ帝国が南米にあったということさえわかれば解けます。

 

ガラパゴス諸島エクアドル

イースター島→チリ

 

ウ 「第二次世界大戦後に二つの国に分断されたが、

   分断の象徴であった壁が取り壊され、1990年に統一された」

 

   まあ、ドイツしかないですね。

 

エ 「多くの野生動物が生息するサバナが広がる国立公園」

  サバナ気候といえば限られていますから、

  これでアフリカとわかればケニア以外ありえません。

  「イギリスから独立」はもう少し上のレベルなら常識ですが、

  注目する必要もないと思います。

 

丁寧にやってしまいましたがかなり易しいことはわかると思います。

大問6対策を考えるくらいなら他の勉強をして大丈夫です。

 

続いて問2

 

歴史ですが、並べ替えになっています。

少し嫌ですね。

 

ただ内容は易しいです。

以下大事な用語だけ抜粋

 

ア ニューディール政策

イ 産業革命

ウ 冷戦時代、初の有人宇宙飛行

エ 南北戦争後、大陸横断鉄道、電話の実験に成功

 

イ→エ→ア→ウですね。

時代別のキーワードノート(順番適当で可)を作るだけで並べ替えは完璧

とすでに述べましたが、十分なことがわかると思います。

 

問3はまたしても世界地理。

W~Zの国の折れ線グラフ2つ(人口増加率と経済成長率)

が提示され、説明文にあてはまるのはどれかを選ばせるもの。

 

示されている世界地図を見ると、

W~Zはアメリカ、インド、トルコ、イギリスですから、

トルコ以外は楽勝と言えるでしょう。

 

説明文の方は、

Ⅰ「人口増加率は上昇した時期もあり」

 とありますがインド以外の3国はあてはまるため、まだ選べません。

 

続いて

Ⅱ「経済成長率は5.0%を上回る時期もあり」

とあるので、それを満たす国はインドとトルコだけです。

 

Ⅰの条件によってインドは消去できるので正解はY=トルコ

となります。

 

まあよく見れば全然難しくない問題でした。

 

Y=トルコとわからなくてもできますし、

「総人口の5分の1が海峡で隔てられた経済や文化の中心都市に集中」

「かつてコンスタンティノープルと呼ばれた」

 

といった要素は正攻法には全く不要です。

 

しかし、Y=トルコとすぐわかった上で

イスタンブールが海峡で隔てられていること、

コンスタンティノープルと呼ばれていたこと、

どちらかでも知っていれば数秒で解けますからだいぶ時間の節約になります。

 

統計問題やグラフ読み取り問題は時間と集中力を消費しますし、

国語が苦手な人、数字の読み取りが苦手な人は意外に苦戦したりもします。

 

英語は好きだけど世界地理は・・・という人が意外といるのですが、

もったいないのでいろいろ興味を持って欲しいな、と思っています。

 

最後に都立対策の簡単なまとめ

 

・細かいことは出ない。基本に忠実に

・頻出の問題形式を早めに意識する

・記述問題は読んでわかることを丁寧に

・その際資料は全部使う(全資料の内容に一言ふれる)

・歴史並び替えはノートで対策

・江戸は頻出なので注意

・人権は系統図を書けるように

三権分立の表も書けると尚可

・世の中に関心を持つ

 

といったところです。

やった分だけ点になる科目ですし、ぜひ得点源にしてほしいと思います。