※若干、修正・加筆
出典は「あした、また学校で」(工藤純子)
ご興味のある方は
四谷大塚の過去問データベースなどをご参照下さい。
この文章はどこかで見たことがあると思ったら、
出題箇所は違いますが、昨年の
「第2回志望校判定サピックスオープン B問題」
で出題されていました。
さらに、他のどこかでも見たことがあるような気もします。
具体的には思い出せないのですが・・・
母親の心情を理解する必要があるのですが、
小学校に何かしらの不満を持っているような受験生であれば
容易に共感できたのではないでしょうか。
仮にそうでなくても、本文を拾っていけば
なんとか対処できたようには思います。
駒東は記述以外の出題内容も多いので、
そういうところでイージーミスをしないのも大切ですね。
ところで、一部記号問題の解答が割れているようです。
四谷大塚と受験ドクターの解答しか見ていませんが、
※追記 声の教育社と東京学参も見ました。
また、記事内容もわかりやすいようにしたつもりです。
四谷大塚 ドクター 声の教育社 東京学参
問6 エ イ エ イ
問7 エ ウ ウ ウ
となっていました。
記号問題はこういうことがあるので怖いところですが・・・
(以前も書いていますが、内容がわかっているのに0点になる恐怖)
個人的には問6はエで、問7はウ。
まず問6は
「わざと問題をすり替えて」いないものを選ぶ必要がありますが、
エの内容
「先生たちは祥子が学校に頭を下げさせようとしていると決めつけてきた」
については
もし先生達がそう思ったとしても、
決めつけること自体が「すり替え」になるわけではありません。
祥子のしたい話
(義務ではないはずの朝練について、みんなの前で怒られ、不登校になった)
に触れると責任問題になりかねないので、
大繩とびの意義とか(ア)、先生の熱心さ(イ)、
伝達を改善する(つまり「もとから義務だったが、伝達が不徹底で伝わっていなかった」という事務的なミスと言うことにして、責任を小さくし、ごまかしたい)(ウ)
登校できるように頑張って欲しい(オ)
などと色々手管を尽くしてごまかしているわけです。
ア・イ・ウ・オは設問指示「具体的」も満たしていますし、
特に悩む問題ではないように思います。
※東京学参では選択肢一つ一つについて触れています
(僕の考えとは違いますが)ので、
もし興味のある方はご覧になってください。
問7は、PTAに対する意識としては、
入試問題現物の7p中盤にほぼ同じことが書いてあるウが適切でしょう。
オも全然違うわけではないですが、内容が少し外れています。
梶尾会長への意識としては、ウかエ以外は的外れです。
ウとエの後半だけで比べても、
どちらの方が期待した理由として相応しいかは
明白ではないでしょうか。
結局、答えはウになると思います。
何かあればご指摘いただけますと幸いです。
以下は余談ですが、
この作品は前年ではない(2019.10出版)ものの、
中学入試は前年に出版された作品が
出題されやすい傾向があります。
確かに、面白い、受験生に問いたい内容の本が出たら
入試で取り上げたくなるのも人情です。
現代の世相を反映した内容の場合、古い本では難しいこともあるでしょう。
しかし、この作品もサピオープンで用いられているように、
直近の本を出すということは、予想されやすいということも言えます。
もちろん、予想されて少し読んだり、一度解いたことがあるからといって
入試問題が解きやすくなるかはまた別かもしれませんが、
こうした出題の流れがとまらず、もし「的中」とか
そういう方向性が強まっていくとしたら少し寂しいように思います。
(学校側が意図しているわけではなく、結果的にということなのですが。
しかし、市川で出た文章が翌日の東邦大東邦で出て、
1日の海城でも出て、人によっては3回目か、と。
まあ、入試での運の要素というのはもちろん少なくはないわけですが・・・)
できれば全員初見の文章になるほうが当然公平だし、
入試の趣旨にも合うし、そもそもそれが読む力じゃないのかな、
と勝手に考えています。
少し思い出したので。