いつの間にか9月も後半になってきてしまいました。
この時期はテストが多いですね。
6年生は判定に一喜一憂という時期かと思います。
今回は解法手順についての話ですが、
主な念頭はテスト・実践対策になります。
さて、国語を教える際には、問題形式ごとに、
この問題はこういうふうにして解くんだよ、と具体的に教えます。
こういう内容はひっかけだから気を付けるんだよ、
ということも色々教えます。
文章の理解が弱い子には、
読む際にとりあえずチェックすべきポイントを教えたりもします。
ところがテストになると・・・
「この問題の解き方は何度か教えたはず。なのに全く・・・」
「教えた内容を少しでも実践してくれれば・・・」
ということがよくあります。
受けたほうもできなくてつらいかもしれませんが、
こちらとしても非常に残念というか、遺憾ですね。
原因としては
1.性格的なもの(我流にこだわる、天邪鬼、マイペースその他)
これはなかなか改善難しいです。
よほど相性がいい優秀な先生が見つかればなんとか・・・
あまり意味はありませんが、細かく分けると、
・そもそも覚える気がない
・覚えていても面倒で実践したくない
というタイプに分かれます。どちらも本当に困ります。
しかも、意外にこのパターンは多いです。
正直、教えたことをやってくれないと成績は全く上がりません。
うまく指導してできるだけなんとかしたいのですが・・・
こちらは週1くらいしか関われないため、
やり方を考えつつ、しつこく指摘してなんとか意識改善してください、
と親御さんにもお願いすることになります。
2.教えた内容を覚えていない
こちらのケースが多くを占めます。
もちろん人間ですから教わったこと全てを習得して
テストで実践してくることはまず無理でしょう。
しかし、基本中の基本すらテストでやってこない子がたくさんいます。
算数で言えば例題の解き方すらちゃんとマスターしていない状態です。
テストを受けて、なんら進歩がありません。
文字にすると悲しすぎる状況ですが、結構あるあるだと思います。
塾で国語の授業を受けている意味はあるのか、とまで考える方もいます。
しかし、普通に考えたら、
(本当にあまり意味のない授業だったという場合は別として)
何か原因があるはずです。
そこで、さらに原因を列挙してみます。
・国語は反復練習がやりにくい
算数なら同じ単元の、同じ解き方の問題だけ、
ピンポイントで演習させることができますが国語はそうはいきません。
・国語は演習に時間がかかる
国語の問題演習には文章を読むことが必須なため、
どうしても一定の時間が必要です。
1問3分、5分で空き時間にささっと苦手分野を1問、ということはできません。
・そもそも国語は勉強時間が少ない
残念ながら、受験生の中に、
算数と同じだけ勉強時間を取っている人はまずいないと思います。
算数の3分の1なら万々歳で、
普通は5分の1以下(宿題で文章問題を週1題解く。あとは漢字など。)
人によっては10分の1くらい(毎日漢字10分のみ!)ではないでしょうか。
要するに、もし(いい先生が担当で)解き方を習ったとしても、
演習がほとんどできていない状態なのです。
これでは解き方を忘れてしまうのも当然でしょう。
本来は毎日文章問題を1題、30分くらいは勉強時間を取ることが理想です。
そうすれば解法パターンのみならず、
様々な問題(塾のテキストでは見たことがないようなものなど。
例えば難関校重視のサピックスでは一部出題形式を扱っているのを
見たことがありません。)や
出題形式(あてはまらないものを全て選べ、句読点は含まない、など)にも
自然と対応することができるようになります。
語彙力や、説明文頻出テーマ、物語文背景事情、のストックも増えます。
そうはいっても、まあ無理ですよね。
以前、複数のご家庭でも、
「教わったことを忘れてしまうのでどうしたらいいか」
というご相談を受けました。
(基本、演習不足ですが、まあ無理なので・・・涙)
そこで、自作のプリントを用意することにしました。
基本的な内容は全部まとめてあります。
説明を聞いていることが理想ですが、
小学生が初見で読んでもそこそこは理解できるだろう、
という内容でまとめてあり、
冒頭には「毎回テストの前に読むように」と書いてあります。
お渡しする際にも
「テスト前に読んで、うまくいかなかったポイントには
正の字でチェックしてください」と伝えてあります。
これでもう大丈夫だろうと。
全部とは言いませんが、概ね実践できれば
大半の子※は四谷偏差値55程度取れると思います。
60も十分可能性があります。
そんな感じの内容だと思っています。
もちろん非売品ですが、有意義なものだと(勝手に)思います。
しかし・・・・・・
このプリント、おそらくそんなに読まれていないんですよね・・・
テスト前にいつも読んでいる人はおそらく誰もいないと思います・・・
基本、絶対にこうしろ!という類(たぐい。入試に出ることあります。)の
言い方はまずしないのですが、こうした点では
「~してくださいね」ばかりもあまり良くないのかな、とも思います。
成績が上がらないとこちらの精神衛生上も問題ですし・・・。
ちなみにプリントのチェックポイントは35くらいあります。
鉄則本のように100超えですと、
国語全国1位という人でもちゃんと身につけるのはなかなか・・・
というレベルになってしまいますし、
直前チェック用には不向き(記憶喚起の解説も多少入れたいため)ですので、
個人的にはこれくらいが限界だと思っています。
ちなみに、
対比型(どう違うのですか)、理由説明型(なぜですか)、
換言型(どういうことですか)、のような
記述の書き方のパターンは載っていません。
この点は、パターン把握で型を暗記だよ、
というのも技巧的すぎるかな、というなんとなくの抵抗感もあり、
記述問題をやる際に適宜しっかりと説明しています。
※知識・語彙力や文章理解力があまりに少なすぎる子、
時間配分の練習が相当必要な子、などはすぐには無理です。
ここで、語彙力とは、純粋な言葉の意味だけではなく
例えば文章において
品詞の変換がある程度自在にできるということも含んでいます。
例 際立って美しい→際立った美しさ
当たり前のようですが、意外とできない子もいます。
純粋に読書量が少ない子もそうですが、
厳しい言い方かもしれませんが
本を読んだ「つもり」になっている子、つまり、
音読させると頻繁に正確に読めず、
勝手読み(=勝手に本文と違う表現で読む)をする子
に多いかなという気もなんとなくします。
こうした変換が苦手だという場合、急がば回れということで、
市販の問題集などで練習するとよいかと思います。
(もし6年生でこれが全然できないという状態の場合は、
正直、それほど国語に時間が割けない状況かと思います。
同じように練習してもいいですが、記述問題は最低限取れればいいことにして、
知識や記号をターゲットにするのもいいかなと思います。)