中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

わかりやすい文章を書く

新聞記事のコラムから。

 

「3年前になくなった山田さんの息子・太郎さんは、(以下略)」

 

(文中、仮名)

 

この記事で、「3年前になくなった」のは誰でしょう。

 

1.山田さん

2.太郎さん

 

 

 

続きを読むと、

この記事で記者が書きたかった内容は

なくなったのは太郎さん」ということのようです。

 

しかし、この文章では

なくなったのは山田さん」と読むほうがむしろ自然でしょう。

 

実際、そういう前提で読み進めてしまいましたが、

あとで話が合わなくなり、やむなく読み直しました・・・

(新聞記事でもこういうことがたまにありますが、

これでお金を取るの?と思います)

 

 

ここには記述の参考になる点があると思い記事にしました。

 

まず、記述問題において主語が誰なのかは超重要事項ですので、

絶対に読み間違えられないように気を使う必要があります。

 

今回で言えば

 

「山田さんの息子は3年前に亡くなったが、~だった。」

「山田さんの息子は~だったが、3年前に亡くなった。」

 

という構成の方がわかりやすいので無難でしょう。

 

どうしても倒置法を使いたい(この記事の場合)とか、

文の流れがいいから、などの理由で、

同じ構成にしたいという場合、

 

「3年前になくなった『』山田さんの息子・太郎さん」

 

読点を入れなければいけません。

 

修飾語がたくさん続く文章を書くと、

この記事のような事態を招きがちですので、

記述ではあまり書かない方がいいのですが、

 

もしそうなってしまった場合、読点は非常に重要です。

危ない文章を渡りきる命綱です。

 

しかし、気にしていない中学受験生も正直多いですね。

 

文章を書くプロ?のはずの記者ですら

今回の記事のようなことがあるので、

やはり、基本的には「修飾語が延々続く文章にはしない」方が安全です。

 

(国語の模範解答はなぜか一文で延々書いているものが多いですが、

 もっと短い文章で繋げても全く構いません

 

読点の使い方で記述は0点にもなり、満点にもなりますので

普段から気を付けて欲しいと思います。

 

 

それからもう1点気になったのは

 

細かいところですが

 

この記事では「なくなった」という

ひらがな表記になっていますが、

読むほうからすればあまりいい表記とは思えません。

 

漢字が難しい(常用外、読者が読むのに苦労しそう)とか、

テストにおいて問題文の元表記が「なくなった」だったとか、

そういう場合は別ですが、

 

意味をはっきり伝えるには当然「亡くなった」と書くべきで、

読むほうも内容がすぐ頭に入ります。

 

(「5年前になくなった山奥ホテル従業員の佐藤さん」だとしたらどうでしょう。

 ホテルがなくなったのか、佐藤さんがなくなったのか、わかりにくいですが、

亡くなった」であれば読点がない不具合を事実上修正することができます)

 

この点、記述の解答を書くのを面倒がって

簡単な漢字すらひらがなで書く小学生は結構多いですが、

(下手すると本当にひらがなばかりの解答になることがあります)

できるだけ早く改善した方がいいと思います。

 

入試の採点者は合格発表までの時間制限がある中で

大量の答案を採点していますので、一人の答案を何度も読み返し、

好意的な解釈をしてくれるほど暇ではありません。

 

普段から、できるだけわかりやすく、

読みやすい文章を書けるようにしましょう。