中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

志望校選びと進学後

 

少し思うところがあり、

下書きにしていた記事を推敲して掲載しました。

 

※あくまで一般論としての、個人の見解です。

 

 

「訓練で鍛えられた出来のいい子どもより、

 これからの伸展が期待できそうな子どもを『発掘』したい。」

麻布学園のOB向け広報誌より、校長先生のコメントを引用)

 

また、以下は一部の要旨

 

・麻布生は学校が大好きだが、近年は以前と様相が異なり、

 中学の早い段階から学校に来ない生徒が増えている

 

・合格による燃え尽き、昼夜逆転、親の期待に気持ちが挫けている

 という生徒も目立つ

 

冒頭の麻布の出題趣旨は入試問題を見れば一目瞭然ですが、

個人的にはとても共感できます。

 

(まあ、大学入試ではそうした出題はほぼないので、

ある意味では不利ですが、そういう学校ではないということで)

 

また、要旨については

せっかく受かったのに本当に残念なことです。

 

時代の変化でスマホ等の影響もあるのかもしれませんし、

そもそも、そういう生徒を0にはできないでしょうが、

 

麻布の校風はただ自由というだけではないので、

周りの個性についていけないことも

もしかするとあるのではないかと思います。

 

例えば「開成を目指していたが無理そうだから最終的に麻布にした」

というような、偏差値要素の強い志望校選びではなく、

その学校の校風をよく理解して、共感して入学してもらえたら、

と勝手に思っています。

 

また、以下は余談のわりに長くなってしまいますが、

もしかすると鉄緑会の影響もあるのかもしれません。

 

かなり昔のことになりますが、

在学時の自分の印象では、

身近な友人で鉄緑会に通っていた生徒は皆無で、

噂で聞く生徒も僅少でした。

(知らなかっただけかもしれませんが)

 

ところが、今は401名が通っているようです。

(2021年1月在籍者。鉄緑会HPより)

麻布の生徒数は1800人前後ですので、通塾者は4分の1弱。

 

神奈川県在住者もかなり多い学校なので、

鉄緑会のある代々木に向かう場合、帰路と方角が逆方向になります)

個人的にはかなり多い印象です。

 

※「麻布は鉄緑会の指定校を辞退すべき」

と仰っている麻布OBの方も見たことがあります。

塾が勝手に指定しているものを果たして辞退することができるのか、

という点はともかくとして、

そういう方向性に向かわないでほしいという気持ちはわかります。 

 

ちなみに、麻布よりも通塾者が多いのは

 

開成994名(2100名程度のうち、半数近く)

桜蔭811名(1400名程度のはずなので、58%!)

筑波大付属駒場557名(840名程度のはずなので、3分の2!)

海城426名(1920名のうち。4分の1弱)

 

となっています。

 

やはりというか、通塾者上位3校は異常な多さ、比率ですね。

(海城も地理的に近いからか結構多いですね。

最近の東大実績は、それがいいかどうかは置いておいて、

おそらくこの層が出しているのでしょう)

 

こうした学校に合格したというだけでもともと優秀なのに、

トップ進学校である各学校よりおそらく早い進度で、

宿題も沢山出し、中1のうちから負荷をかなり強くかけるわけですから、

合格実績が出るのは、ある意味当然です。

サピックスと同じく、不合格者の数はわかりませんが・・・)

 

ただ、こうした学校は鉄緑会が存在する前(1983年以前)から

東大合格者の上位常連でしたので

 

(上の3校のうち桜蔭については、

 東大合格者ベスト10に初めて入ったのが1994年と鉄緑会誕生後です。

 その頃にどの程度通塾者がいたのかは知りませんが・・・)

 

鉄緑会じゃなければ東大に受からない」

ということは全くないはずですが、

「御三家ならサピックス」と同様、

既に刷り込まれてしまっているのかもしれません。

 

「中学入学時のみ入塾テストを課さない」というのも、

正直言ってしまえば、

親の優越感をくすぐってうまい商法だと思います。

 

今は「上位層をどうやって早く囲い込むか」

というのが難関塾の戦略になっていますから・・・

 

鉄緑会ではないのですが、

自分の場合も中学入試後、いつのまにか春期講習が申し込まれており、

「受験が終わったばかりなのに、春休みからまた塾に通う」

というだけで、非常に憂鬱でした。

 

まとまらなくなってきましたが、

結局何が言いたいのかというと、

 

私立の一貫校では周りのレベルが高くなるため、

残念ながら、頑張ってもなかなかついていけない、

ということもあるかと思います。

 

図らずもそうなってしまった場合は、

今後について考える必要も出てきてしまうかもしれませんが、

基本的には、せっかく頑張って入った学校です。

 

個人的には、あまり大学入試のことばかり考えず、

充実した学校生活を過ごしてくれればいいなと思っています。