中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

うちの子、線引きをしないんです

たまにはこういう感じのタイトルで。

 

巷に線引きを勧める指導者の方などは多いですが、

そうは言っても、やらない人、多いですね。

 

そもそもなぜ線引きをした方がいいのでしょうか。

 

1.文章の要旨を理解する

 

これは大人なら誰しもが理解できると思います。

 

簡単に理解できないような内容、

覚えておきたい箇所などには線引きをしますよね。

 

筆者の意見そのもの以外でも、

接続詞や指示語に注目するというのも基本です。

 

要旨とは直結しませんが、文章の構成を意識し、

(可能なら次の内容をおぼろげに予測することで)

読むスピードや理解を助ける作業となります。

 

2.設問対策

 

これはあまり言われることがないかもしれませんが、

とても大事です。

 

抜き出しや記号問題で該当箇所を探す際にももちろん有用ですが、

 

最も必要になるのは物語文における記述問題のうち、

複数個所から要素を探してきて、まとめる作業を要求する問題。

 

こうした問題では最初の線引きの精度が高いと、

要素落としをする確率が下がります。

 

 

こうした点で線引きしたほうが有利ですが、

とはいえ、そうは言ってもやらない。どうすればいいのか。

 

そこで、できるだけ本人の負担にならないように、

かなり少ない要求しかしないものの、

ポイントは押さえた線引きを勧めています。

(それでもやらない人も少なくないですが・・・)

 

正直、国語はみんなあまり勉強していませんし、

算数と比べればトップ層も遥かに薄いです。

 

それくらいの線引でもやっている人は少数派なので、

実践できれば入試までだいたい対応できます。

 

ここで正直に言うと、

自分が小学生の頃、線引きをした記憶はあまりありません。

(適当に引いていたかもしれませんが・・・)

 

大人向けも含めた読書量のおかげで

文章の内容はほぼわかっていたため、

1の「要旨把握」という点では別に引かなくてもよかったわけです。

 

しかし、今思えば上記2の点での要素落ちはありえたので、

「文章の内容を理解していたほどには点が取れなかった」

一つの理由だったかもしれません。

 

この点について補足ですが、

例えば小学生がマンガや絵本を読むときに線は引かないと思います。

そういうことをしなくても話の展開や大事なセリフなどが

誰でもすぐわかるようにできているからです。

 

自分にとって簡単な文章であれば線を引く必要はないのです。

 

しかし、普通の小学生の読書レベルでは

中学入試の文章がすらすら読める、ということはまずないでしょう。

 

繰り返しになりますが、線引きはした方がいいけど、

実践できるよう、まずはできるだけ簡素でいいと考えています。

 

上でも書きましたが、人生で一度もやったことがないのに、

いきなり線を引けと言われるのもなかなか大変だと思いますし。

 

以下はおまけです。

 

そもそも子どもはなぜ線引きをしない、したくないのか。

 

理由1:面倒だから

 

大人からすると

「大した作業でもないのになんで?」という感じですが、

 

残念ながら、国語に興味がない小学生は結構多いのです。

 

「つまらない、よくわからない文章を読むだけでも嫌なのに、

それに加えて線引きとかありえないよね」ということになります。

 

こういう人は問題を解くのも面倒なので、

記号問題も、もちろん本文と照らし合わせていない可能性が高いです。

 

そこで「線引きしなさい」としつこく言うよりは、

点に直結する内容である、

設問の検討から意識付けを始めていくのがいいのかなと思います。

 

 

理由2:時間がかかる

 

こういう主張をする人も結構多いです。

本音はただ面倒なんだけどその言い訳として使われることもあり、

その場合は1に譲ります。

 

確かに、

線引きは読みながらざっとやる分には大した作業ではないのですが、

「ここでいいのか」などと考えこんでしまうと、かなり時間がかかります。

 

要旨の部分、大事な部分だけに線が引けるのは、

そこが要旨だと理解できているからなんですよね。

 

本人にとって国語のテストの文章は基本的に普段読まない「難文」ですから、

意外と難易度が高いものです。

 

また、線引きをしなければならないのはテストの時ですから、

厳しい時間制限があります。国語は特に厳しいです。

 

ということで多少頑張る気はある人でも、疎かになりがちな面はあります。

この点も含めて「簡単な線引きでOK」と考えています。

 

理由3:やり方がわからない

 

上で少し触れましたが、これもよく聞く話です。

長くなったのでこの点及び、よく聞かれる、

「線の引きすぎ(ではないか?)問題」については別記事にしたいと思います。