中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

国語の力とは(その2)

 

前回はいわゆる国語力について触れました。

 

waldstein1804.hatenablog.com

 

今回は「国語という科目」についての力です。

 

この「その2の力」は「テストで点を取ること」がメインになります。

 

時間に制約がある中で、

初見の文章をどう効率よく把握するか、

(「その1の力」があまりない場合は厳しい戦いですが、

 それでもある程度はなんとかしなければなりません)

記号・抜き出し・記述、といった設問を基本的にどういう手順で解くか、

それらの形式で難度が上がった際にどう対応するか、

といったところです。

 

「その1」と比べほぼ触れられることがない理由として、

 

・大人になって契約書を読むとき、大学生で論文を読むとき、

 など論理的思考をする際に「選択問題」はない

 

・「受験後」に必要とされる力は

 筆者の言いたいことは1か所から読み取って理解でき、

 必要に応じて他人に説明できればよい。

 内容を理解したにもかかわらず、

「別の表現で言い換えている箇所を探させ、書き抜かせる問題」はない。

 

こう書いてみると、「書き抜き・抜き出し問題」が

いかに馬鹿馬鹿しい問題かということがわかります。

文章の要旨の把握には全く関係ありません。

 

この形式を出す意味は、

「答えが一つしかなく、採点が楽」ということしかないでしょう。

 

しかし、試験となればそうした設問にも対応しなければなりません。

 

ちなみに選択問題については、

もしひっかけのように感じる選択肢だとしても、

「文章(やその論理構造)を精緻に検討する能力」を見る点で、

内容把握と無関係というわけではありません。

(悪問と言われるようなものはありますが)

 

 

また、文法など、「覚えていれば解ける」とされる問題でも、

そうは言ってもどこまで完璧に覚えられるのか、という問題はあります。

 

例えば、傍線部の「ない」と同じ用法のものを選べ。

形容詞か、形容詞の一部か、助動詞か・・・

 

だいたい解説を見ても文法の解説が載っていますね。

「正しい」解説としてはそうならざるを得ません。

 

(アは形容詞、イは助動詞・・・といったもの。

 少しわかりやすくなっていても、

「ない」を「ぬ」に置き換えられるかどうか、を考える、など・・・)

 

しかし、こうした判別手順を、

他にもたくさんある識別問題ごとに覚えなければならないのでしょうか。

ただでさえ国語の知識は弱い上、

文法は本人もつまらながってやらないのに・・・

 

今はちょうど直前期ですから、

今さら丁寧にやっている暇もないでしょう。

 

そんな時は「ない」が何とくっついているのか、問題を見てみましょう。

 

動詞(走らない)なのか、

形容(動)詞(やさしくない)なのか、

意味をなさない文字(つまらない)のか、

助詞(弱点がない)なのか。

 

とりあえずこれだけで区別は十分にできます。

問題を見て比較検討するだけですから、覚える必要もありません。

 

以前も書いていますが、

こうしたその2の内容について、自作のプリントを用意しています。

それなりに絞り込んでありますが、

塾であまり教わらない内容ということもあり、

これらを身に着けさせ、

多くを自力で実践できるようにするのはなかなか大変です。

 

(教えた内容を素直に実践してくれない子、実践を忘れてしまった子、

集中力が切れて途中から手順が適当になる子、やったりやらなかったりの子、

そもそも授業中寝る・問題を解こうとしない子、

などしっかりやってくれない子は様々です。そして圧倒的多数派です。)

 

まあ小学生ですから、

多少でもやってくれていればとりあえず御の字と言えるでしょう。

繰り返し、定着を図っていくということになります。

 

その1と比べれば短期間での成果も期待でき、

人によっては指導開始1月以内で大きく改善する子などもいます。

 

まあ上記の状況等も大きく影響しますし、

相性やその1の力があまりに足りないということもありますので

ケースバイケースではあるのですが。

 

(徐々に上がる子もいればしばらくしていきなり爆発的に伸びる子もいます。

また、それが同じレベルで定着するとも限りません。

例えば、45→60になったあと55程度で安定することもあります。

逆に、残念ですが全く伸びない子もたまにいます。

さすがに、指導前より成績が落ちた子はいませんが・・)

 

こちらとしてももっと対応力をつけたいところなのですが

なかなか難しい面もあります。

 

余談ながら、指導した範囲では

算数の方が成績向上率が高いというか、

上がらない、というケースが少ない気もしますね。

(理社も含め、基本を理解させやすいからかもしれませんが。

 いや、国語も結構向上してはいるのですけれど)

 

※取り急ぎ書いていたため、構成が悪かったので加筆しました。