中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

併願校選び

そろそろ模試もほぼ終了し、

最終的な併願校を検討されている方も多いと思います。

 

今回はそのあたりについて書いてみたいのですが、

まずそもそも、一口に併願校と言っても、

実質は大きく二つに分けられると思います。

 

1.合格しても進学する可能性はほとんどないが、練習のために受ける学校

 

以前と比べ、今は1月の受験が必須レベルになってきていると思います。

雰囲気に慣れる、合格を手にすることでいい精神状態で本番に臨む、

といった効果を狙っているご家庭が多いと思います。

 

近年は1日に複数回の受験が可能な午後入試も増えてきましたから、

「1月のうちに連続入試を経験させておく」

という目的で受けるケースもありました。

 

ここで、1のケースの場合の注意点を上げておきます。

こうした学校は進学可能性がないため、

よほど余裕があるケース以外は、

過去問についても、学校自体についても、

あまり深く検討されることはありません。

 

確かにこの学校のために本格的な対策はできないし、

する必要性もあまりないとは思いますが、

油断だけはしないようにしましょう。

 

よほどメンタルの強い子でない限り、

問題の相性(偏差値は持ち偏差値より低めでも

国語はそこまで簡単ではないとか、文章の相性が悪いとか

前半に作文が出され時間配分を失敗したとか、

算数であまり稼げなかったとか、

そうしたこともいろいろあります)や

当日のコンディション、教室の寒暖、緊張、

その他予期せぬトラブル(昼食を取る予定の食堂が使えなかった、など)で、

4科で20点・30点、それ以上の変動があることもありえます。

 

どうせ進学することはないので、

落ちること自体に大きなデメリットは本来ないのですが、

「絶対大丈夫」と思っている学校を落とすと動揺し、

2月まで引きずることもあります。

 

また、塾の面談では偏差値しか基準にされないことも実質多いため、

「『絶対大丈夫』『ここならまず大丈夫』と言われたのに・・・」

と、余計ショックを受けるケースも珍しいことではありません。

親もショックを受けると本人はますます動揺します。

 

場合によっては受験プランも崩れてきてしまいます。

 

模試などの進学資料を見ればわかりますが、

80%が出ていても、落ちている人は毎年いるのです。

(昔の合不合は96%など、4%刻みでした。

いつ変わったのかは不明ですが、80%も色々、ということは言えます。)

80%ギリギリラインでは、少ない、滅多にない、

と言える数ではないでしょう。

(だからこそ、20%、40%の人が受かる、とも言えます)

 

余裕をもって毎回80%出ているような

本当の練習校に落ちる人はそういませんし、

心配しすぎるのも杞憂となりますが、何があるかはわかりません。

最悪の場合に負の影響があまり残らないように、

親のほうで意識しておく必要はあると思います。

 

2.本命校に落ちた場合、進学する可能性のある学校

 

こうした学校は、

ご家庭内でも本命校に準ずる扱いをされていることが多いはずですから、

油断したり、落ちて大きなショックを受け、

引きずるようなことは少ないでしょう。

 

むしろ気を付けなければならないのは、本命校の問題との類似性です。

本命校がじっくり型なのに、併願校はスピード勝負

本命校が記号ばかりなのに、併願校は記述ばかり。

本命校では国語の知識はあまり出ないのに、併願校は知識ばかり。

 

こういう受け方をすると、人によってはかなり大きな負担になってきます。

「全単元に目立った弱点はない」という人はもちろん別ですが)

理想としては同じタイプばかりを受けるのが望ましいところですが、

そううまく行くことばかりでもないでしょう。

できるだけ受験校のタイプを合わせつつ、

併願校のみに必要な範囲は親が早めに把握して、対策を立てる必要があります。

 

この点上記同様、

塾はそこまで考えてくれず、偏差値で併願に適しているか見るだけ

ということも少なくありません。

(指摘してもらえたら、いい先生で良かった、ということだと思います。)

 

あくまで親の方で調べたり、問題に目を通して

「この学校にはこういう内容が必要だ」

と本人にも意識させておくことが必要です。

 

一方、通う可能性があるわけなので、

校風・部活の有無・立地・進学実績・教育方針など

かなり広い範囲で検討が必要になりますが、

今はいくらでも事前に調べることができますから、

この点は特に問題はないでしょう。

 

むしろその他で問題になるのは、

2/1がダメだったらどこを受けるのか、

その後、2/2の押さえが受かったら3日はどうするのか。

本人の体調を見て、午後入試は最終的にどうするのか。

 

といった繁忙期のスケジューリングですね。

 なかなか大変なところですが、

本人のことを一番わかっているのは親ですから、

一番力の発揮できるようなプランを組んでもらえればと思います。

 

最後に、あまり需要は多くない話かと思いますが、

併願校の余談としては、

 

3.合格しても進学する可能性はほとんどないが、

  自信をつけるために受ける学校

 

というのもあります。

首都圏の生徒で言えば、

灘や西大和学園ラ・サール、海陽特待といったあたりです。

 

こうした学校は力試しですから、

志望校の対策や受験料に余裕がある人は好きに受ければいい、

ということで、特に注意点はありません。

 

いくら上位と言えど、本命校とは傾向も違うので、

個人的にはどれだけ自信に繋がるのか?という思いもありますが、

特に、都内受験ができるのであれば、ある意味難関模試、とも言えます。

また、遠征の場合、塾がツアーを組んでいたりしますから、

色々と思惑もあるのでしょう。

遠征費や受験料も塾が出してくれる、ということさえあるようです。

 

どうでもいいですが、こうした地方受験は

女子より男子の方がだいぶ多いような印象があります。

やはり志望校ではなくても

できるだけ上にチャレンジしたい(させたい)ものなのでしょうかね。

 

もちろん生徒が灘に受かれば、合格実績として記載できるので

家庭教師としては得と言えば得なのですが

自分なら絶対やらないことをあえてお勧めはしないです。

 

こんなことを書く家庭教師も珍しいですかね。

こういう生徒の親だったら依頼しないよな・・・。

 

もちろん否定的に対応することは全くありませんので

当然ながら自由に決めてもらえれば、

普段と同様、過去問対策などやっていきます。

 

まあ通常でも、

「ここを受けたらどうですか」等は

こちらから言わないので、対応は同じと言えば同じなのですが。

一応、ご家庭の判断を尊重しています。

 聞かれたことにはもちろん答えます。)

 

言葉が悪いかもしれませんが

こうした実績集め?でちょっと気が引ける点としては、

1.の練習校よりも絶対に行かないのに、合格した場合、

本命にしている生徒(1.よりも当然多いことでしょう)

を補欠で待たせたりすることになる点です。

(東京入試のように、地元枠と別形態ならば、

 問題はないのかもしれません)

 

あるケースですが、受かった学校は補欠合格ばかり。

最後に補欠が出た学校が最善だと当初から思われていましたが、

先に払った2校の入学金が無駄になるのが嫌になって進学した学校が、

結果的には大失敗だったということもありました。

 

まあその点はある意味「成績上位者の特権」、

補欠しか受からない点で実力がないのが悪い、ということで

本当は気にすることもないのかもしれませんが。

 

(記事に太字や色をつけるかは完全にその日の気分です。

更新時に時間がないことも多く、そういう時は太字すらつけていないです。

またカラー文字だらけなのもアピールが強くてどうかな、

などと思ったりもします。

 

でも通常文字だけだと読みにくいですよね。

長い記事が多いので、もう少し配慮していきたいな、と思ってはおります。)