中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

論説文の攻略例(2020 3月 サピックス組み分けテストから) 

 

再開後いきなりテストになりましたが、

6年生組み分けテストの国語について少し書いてみます。

 

物語文はオーソドックスなスポーツものの題材。

この話が全然わからない、という人はあまりいないでしょう。

 

問題も特に難しいものはなく、

最後の記述も書くべき内容はだいたいわかるはずで、

あとは文章をどうまとめるかが分かれ目、と言う問題でした

 

一方、論説文は心の強さについての文章。

平均点等は把握していませんが、やや難しかったでしょうか。

 

そもそも論説文の要旨を押さえるには、

まずテーマを理解すること結論を理解することが必要です。

 

しかし今回、両方とも怪しい、

という人も多かったのではないでしょうか。

 

前者は文中で頻出の単語に注目する、

課題文のタイトルにも目を向けるなど、

基本的な対処をすればわりとなんとかなるはずですが、

(とはいえ、できない人も多いが・・・)

 

後者の大きな原因は、

筆者の明確な結論がこの文章の最後の部分にはない

からです。

 

この文章の結論は比較的早い段階で出てきているのですね。

 

そして、その結論はもう述べてしまったのちに、

 

最後に主張を補強して終わり、という構成になっています。

 

このように、最後の部分に明確な結論がない文の場合、

要旨を把握することがかなり難しくなります。

 

テーマと結論、共にいい加減にしか把握できていなかった人は、

この文章の記述問題で

「心が強くなる」という要素を入れられなかったのではないですか?

 

ここは作者としては一番強調したいところですから、

均等配点ではなくかなりの減点になる可能性もあります。

 

また、この文章における「守られる」という言葉の内容は

一般的な「保護される」という意味からはズレている点が要注意です。

しかも、その説明は少し先まで読まないと出てきません。

 

「任される」→自由に行動できる(経験増える)

という流れは自然なので誰でもわかりますが、

 

「守られる」→自由に行動できない(経験少なくなる)

となるのが一般的には普通なところ、筆者は逆だと言っているのです。

 

そこに違和感を持ち

「じゃあ筆者はどういう意味で『守られる』を使っているの?」

と思えるかどうか。

 

この視点は本当に大切です。

 

 

この文章における「守られる」というのは、

単に「保護される、庇護される」ということではなくて、

 

「(チャレンジして)失敗した場合に(親に)フォローしてもらえる」

という意味で使われているのですね。

 

それならばものごとに挑戦しやすくなるので

「守られる」→経験UP!という流れに繋がります。

 

 

この2点がこの文章を取り組みにくいものにしています。

 

全然できていなかった、という人は

上記のポイントに注意して普段から練習するしかないでしょう。

 

論説文にはきれいな論旨で繋がっているものもあれば、

筆者の主張が整理されていなかったり、説明が不親切だったりして、

読みにくいものもたくさんあります。

 

やみくもに読むのではなく、

注意すべき点を考えながら読めるようになってほしいところです。