昨年「開成ショック」とも言われる、大幅な変化を見せた開成。
算数で稼ごうと思っていた子は予定が狂って痛かったでしょう。
チャレンジ受験で元から厳しかった生徒ではありますが、
指導していた子も残念な結果になってしまいました。
過去問対策は最重要と言えるものですが、
本来は、どういう問題でも対応できることが望ましいですね。
さて、算数のインパクトが強くて目立っていませんが、
昨年の開成では国語にも結構大きな変化がありました。
御覧になった方はわかると思いますが、
百貨店の催事で弁当を売った責任者の資料を見て、問いに答えるものです。
「昨今話題の大学入試改革に開成も乗っかって来たのかなぁ」
という印象でした。例年より楽だと思うかどうかは人によるでしょうか。
開成は結構作問がぶれるので、
どういう子を取りたいのかいまいちわかっていないところがあります。
昨年の算数などは高得点勝負になることが予想できますから、
算数偏重の中学受験業界へ一石を投じる意味もあったのかもしれません。
(妄想ですが)
また、理科・社会が他の難関校と比して易しいことも有名な一方、
社会の東京問題は遠征組の排除という話もあります。
国語についても、確か2000年代に入り、突如記述中心に変えました。
心情理解の深い機微は聞いてこない印象で、
題材もエッセイ、外国文学含めて様々。
問題の難易度は高めで、時々詩を出してみたりしています。
さて、今年はまた例年通りに戻りました。
算数は大問1を取って、
2~4のうち取りやすいところを拾うという感じだと思います。
苦手な人は立体図形の切断を飛ばす方がいいかもしれません。
特に算数で稼ごうと思っていないなら60点取れば十分、
50点台でも勝負ではないでしょうかね。
私は受験時に算数で稼ぐタイプではなかったので、自分ならそう考えます。
一方、国語に関しても同様に例年通りでした。
個人的には、大問2の方がやや記述しやすいのではないかと思います。
大問1については、
英語が現実逃避の小道具として使われていることを理解できたかがポイントでしたね。
本問は親の就職難から来る親族との軋轢でしたが、
学校・家庭・塾、全てで特に嫌なことはなく、
受験勉強だけに専念できる、という
比較的恵まれた受験生ではわかりにくい題材が出ることも多いです。
特に6年生になってこれまで得意だった国語ができなくなるパターンの多くは
こうした問題文に対応できないものです。
「読書の効能」でも書いたように理想を言えば
そうした知識を少しずつ蓄積しておくことが望ましいですが、
小さい頃からでも読める個人的なお勧め、
と言われたらとりあえず「世界文学全集」です。
好きではないジャンルも読むことになるし、
海外文学の対策にもなる、色々な境遇の主人公が登場する、
といったことが理由です。
低学年までに読み終え、
もしも、戦国ものなど、一般小説まで手が出るようになれば、
「物語は得意、語彙力の問題はほぼ100%正解」
という状態になります(ソースは自分)。
とはいえ現実としてはなかなか、
という場合はいわゆる「差がつくのは算数だから、国語は・・・略」と
いう算数専門塾の謳い文句のようなパターンになるのかもしれませんが(涙)
語彙力だけは強化しておくことと、記述を組み立てる手順だけは
早めに押さえておいてくれたらと思っています。