※自分で解いた際は「王道ではない解き方で解いたかな?」と思いましたが、
数学科卒の知人に解いてもらったら
同じ解き方(個数の一桁目が7になる)をしました。
サンプルは少ないのですが、ややタイトル詐欺になっているかもしれません。
テキストの解法を暗記するのもいいが、考える力も大切だよ、
という趣旨なのであまり気にしないでください。
筑駒中の今年の算数入試問題を紹介しているブログを拝見し、
気になったので移動中に考えてみました。
「47円、97円、147円の商品をいくつかずつ、
どれも最低一つは買ったところ、代金は1499円でした。
買い方は何通りあるか求めなさい」というもの。
とりあえず考えたのは、
1.公約数はない(まあ一目なさそう)
2.合計個数の一桁目は7である
(1499の一桁目は9であり、
どの商品価格の一桁目も7なので7×7となっているはず)
3.7個はありえるか→ありえない(147×7が1499に届かない)
4.37個はありえるか→ありえない(47×37が1499を超えそう)
1~4から、合計個数は27個か17個。
計っていませんが、ここまで30秒はかかっていないと思います。
(計算の正確性にはあまり意味がないので一瞬でざっとです)
しかし、上記を見ればわかりますが、
全ての代金は50×n-3の形をしていることに全く気付いていません。
確かに数学ではよく使いますから、慣れていればすぐ思いつくでしょう。
ただ、そうした世界からは遠ざかってしまったので・・・(遠い目)
(いや、算数でもやばいか。
まあそういうこともある、ということで・・・)
じゃあそこに気づかないとこの問題0点なのか?
ということです。
この先は本番で困ったときに点数を取るための考え方として
読んでいただければと思います。
実際の試験で、全ての問題の解き方が軽々とわかるような人は、
こんな記事を読む必要はないでしょう。
しかし現実には、
「習っていない問題が出た」
「やったはずなのだが解き方を忘れた、その場では思いつけなかった」
「緊張してパニックになった」
ということは十分考えられます。
その場合、捨て問にしてもいいのですが、
それでは算数の目標点に届かなかったり、
問題数が少なく安易に捨てるわけにもいかない学校もあります。
そこで、自分なりの試行錯誤をして
・答えのみ書く形式であれば、できるだけ答えに近づく
(あとは感性で数字を書いて勝負、だが、
やみくもに数字を書いて解答欄を埋めるよりはだいぶまし)
・過程も答える欄があるなら部分点を取る
ということが必要なわけです。
そこでどれだけ点を拾えたかが大多数の人の合否の分かれ目です。
また、算数でも時間配分は重要ではありますが、
「解ける問題は全て解いた。見直しも概ね大丈夫そう。
さて、残った3問は全て難しそうだがどれを解くか」
みたいなシチュエーションであれば、
仮に1問に残り10分全てつぎ込もうと、点さえ拾えれば別に構わないわけです。
そうした練習も普段のテストで意識してみるといいと思います。
以下続き
5.27個はありえない
(47×27=1269なので残り230。
これは47円の商品を→97円または147円にどう入れ替えても作れない)
これは暗算も含めて少しかかりました。はぁ・・・
もうこの時点で、最悪あてはめに入ってもいいです。
正直、その方が賢かったかもしれません。
計算が早い人であれば結構なんとかなる可能性はあります。
感が良ければこの後に書く7.にもすぐ気づくと思います。
で、あれば、一つ目の組み合わせを見つけた時点で個数もわかります。
ちなみに、もし仮に、
合計個数のみを求める問題だとすればここで終了です。
本質がわかっていなくても2分くらいで解けましたね。
やった!
(合計個数をも出さずに最初からあてはめるやり方は
さすがに時間がかかりすぎだと思うので
本当に他の問題が全然わからない時の最後の手段だと思います。
その上、全ての通りを網羅できたかどうか、
解いているうちに不安になりますから。)
6.147円の個数は最大6個。その時、(9,2,6)で成り立つ。
これは混乱してしまい手こずりました。
電車の乗り換え時間含め10分はかかっていると思います。
合計個数は17個だが、その後どうするのか。
最初は1499-47×17=700不足で考えていたのですが混乱してきて、
147×17=2499で1000過剰、のほうで考えることにしました。
その場合、1000減らす必要があるので
147円の商品と47、97円の商品を入れ替えて金額を減らしていく。
とりあえずすぐわかるのは
147円を100円安い47円と1個入れ替えると100円減る。
→よって10個入れ替えると1000円減る。
(10、0、7)なら成り立つ。
しかしこれでは個数に余裕がなく全ての商品を買って合計17個にはできない。
(9,2,7ならできる)
よって、147円は6個が最大。
とりあえず147円を47円ともう一つ多く入れ替えてみて、
(11、0、6)これでは100円減らしすぎで1399円になってしまうので
(9、2、6)
7.147円の商品の個数1通りにつき成り立つ3つの組み合わせは1つ。
これはすぐ気づきました。全体個数が17個なので確実に1通りしかない。
よって、147円の商品の個数は6~1の6通りあり、求める答えも6通り。
(50×n-3に気づいて方程式で解けばきれいに解けます。)
「時間かかりすぎだろ」「解き方がおかしい」
などあるかもしれませんが、
あくまでこれは試行錯誤の過程ということでご笑覧ください。
また、上記の「2.合計個数の1桁目が7」ということだって思いつかないよ!
ということは十分考えられます。
しかし、この記事の主眼は、複数のアプローチを身につける大切さです。
受験算数の王道的な解き方だけでしか、
問題が解けないというわけではありません。
(近年の算数は昔と比べて
パターン化が顕著になってきてもいるようですし、
入試までにできるだけ多く定着させられればベストではありますが)
なんとか考えてみて、これまでの自分の力で何か思いつけないか、
上位校ほど、そうした練習が大切になってくると思います。
少し脱線しますが、某少数精鋭難関塾が出している書籍にも、
「図形はひらめきが重要だから、
(数字などを書き込むときも)図が見にくくならないよう気をつけろ、
上位の子はみんなやっている」という内容がありました。
確かにこれは自分のことを考えても納得です。
意識はしていませんでしたし、
算数は特別上位と言うわけでもなかったですが・・・
ちなみに、右側のプロフィールには
開成過去問を解いたとありますが、同じご家庭から
筑駒の問題も同じくらいの年度分を渡され、
開成同様4科目解いたことがあります。
(例によって移動中に)
得点状況は忘れてしまったのですが、
「こんな計算、やればできることはわかっているのだから、無意味なのでは?」
と、個人的には感じるほど計算力も要求する開成
(分母が3桁になる答えなども普通に出てきます)
と違って筑駒算数はひらめき型かと思います。
上手く解法を思いつけば一瞬で解けたりします。
その点では面白いですが、
開成同様問題数が少ない上に時間も短いので、怖いところではありますね。
珍しく算数について長々書いてしまいました。
「算数はそこまでじゃないんだよね・・・」
という受験生の参考になれば幸いです。