特殊詐欺に遭われた方についての警察発表から。
被害者の9割が、
「自分は大丈夫(詐欺に引っかからない)と思っていた」
ということらしいです。
人間には正常性バイアスというものもありますし、
なかなか難しいものだと思うのですが、
今回触れたいのはそちらではなくて、
ミスを減らすことの難しさです。
普通の中学受験生は、
「自分が間違える」ということを想定していません。
もちろん、テストで全て100点を取れるということではなく、
「自分で『解けた』と思った問題だが、それが間違っている」
ということを想定していない、ということです。
この点、大人はもちろん、
高校生くらいになれば、経験を重ね、精神も成熟し、
人は誰もがミスをする、ということを理解しているのですが、
この点が理解できていない小学生は、
ミス対策の必要性を説いても、
「たまたまだよね」
といった感じで真剣に受け止めませんので、
(必要でないのに、面倒くさいことはやりません)
当然対策は実践されず、
ミスはいつまで経っても減らないことになります。
「なぜケアレスミスが減らないのか」
「対策は教えているのになぜ実践しないのか、不思議で仕方ない」
というお話をいただくこともわりとあります。
反抗期等が原因のこともあるのでしょうが、
そもそもは、こういう精神性が理由のほとんどだと思います。
一応、精神の成熟を待っていれば
そのうち自分でやるようにはなるのでしょうが、
それでは中学受験に間に合わないことも多いでしょう。
となると、
親などがうまく誘導して実践に結びつけるしかないのですが、
これは性格によって最適解はいろいろだと思います。
・テストの成績が悪く、本人がショックを受けた時などを見計らって
「ミスさえ減らせば・・・」などの声掛けを上手く行って、自覚を持たせる
・志望校熱望組なら「ミスを減らさないと絶対受からない」と思わせる
・普段の練習にさりげなく
ミス減少につながりそうなメニューを混ぜていく
などなど。
逆に言えば、
「ミスが少ない人は、自分がミスをすると考えている」わけで、
そういう人は、
問題を最後まで解いた後に見直しや検算をしているだけではなく、
式の変形や、図を書く際の数字が正確かどうかなど、
問題の過程一つ一つにおいて、ミスがないか逐一チェックしています。
小学生でもそういう子がテストの上位を占めている、
ということになると思います。