中学受験家庭教師の国語メインブログ

23区西部在住の家庭教師が日々思うことを書いていきます。

読み手を意識して書く

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、

個別塾には、指導報告書というものがあります。

 

「その日の授業でどういうことをやって、

 本人の取り組みはどうだったか」

 

を親に伝えるためのものです。

 

かなり昔のことですが、教室の責任者から

 

先生の報告書は素晴らしいですね。

どこかで書き方を指導されたのですか?

 

ほかの先生にも見習ってほしい

 

と言われたことがあります。

自分で書くのも恥ずかしいですけれど。

 

こちらとしては、

全て自己流で考えてやっていただけで、

書き方を指導されたことなどないですし、

そもそもいい報告書なのかも自覚していませんでした。

(「悪くはないだろう」と思ってはいましたが)

 

悪くはないだろう

 

と思っていた理由は3つほどあります。

 

1.読める字で書いている

 

当たり前のことですが、文章というのは

読んでくれる人がいて初めて意味を成すので、

読めない字で書いても何の意味もありません。

 

何を当たり前のことを言っているんだ、という感じですが、

世の中、悪筆な人が一定程度存在することは周知の事実かと思います。

 

指導報告書でも、

解読困難なレベルの文字を書いている人が時折います。

ひどい人は本当に、アラビア語サンスクリット語

混入しているような感じの字ですからね・・・

 

親が読む(中には読まない人もいるでしょうが)ことを

全く意識していないと言えます。

 

 

僕は字がうまいとはとてもいえないのですが、

先生は字がきれいだよね」と言われることが時々ありました。

(まあ確かに比較対象を考えれば「きれい」と言えるかなと思いますが・・・)

 

一応、読めないと言われたことはほぼないですし、

(急いで説明していて、殴り書きの時は除く)

小学生の頃から「誤読されない字を書こう」という意識はかなり強かったです。

 

最近思うのは、

ほれ、しょうがないから書いてやったぞ。ちゃんと解読しやがれ!

 

という感じの字をテストで書く男子、多いですね。

1画1画しっかり書こう、という意識が弱い人がとても多いです。

 

小学校の書写の授業を相当適当に受けているのでしょうか。

それとも、テストの答案になるとそうなってしまうのか。

 

結構深刻な問題です。

 

2.生徒の出来るところ、出来ないところをはっきり書く

 

実はこの指導報告書、

「よく頑張っていました」とか

「集中して取り組んでいました」

 

といった無難な、というか

ほぼ何の内容もないことを書く人が結構多いんですね。

 

1点、そうならざるを得ない事情としては、

 

基本的に授業時間内に報告書を書かなくては

サービス残業になってしまう、という点があります。

(別途報告書作成用の時間を取っているところもありますが)

 

これは1:複数の指導の場合、

時間的に相当シビアなので、まともな報告書を書く時間がありません。

 

(学年や科目、学力が全く異なる複数人に対して

テキストやプリントを用意して、演習を指示して、質問に対応し、

演習の進捗状況をみて新たな指示をし、宿題を出し、

可能なら少しは雑談も交えながら学校からの課題や授業の状況を聞き出し・・・)

 

これは構造的な問題ですので、

一概に先生のせいというわけでもないのです。

1.の字が汚いというのもある程度は仕方がありません。

(やはり読めなくては意味がないので限度はありますが)

 

しかし、当たり前ですが、ほとんどの親は

子供の成績が良くなって欲しいと思って塾に通わせています。

 

1回の指導で劇的に成績が向上するということはないにしても、

良くなった点があればはっきり見えるようにしてあげると

喜んでくれることは明らかだと思います。

 

また、出来ないところ≒弱点の指摘も重要です。

 

「ここが出来ていないことがわかった」

「こういうところが苦手なことが分かった」

 

もちろん「指摘してあとは知らない」ということではなく、

「今後改善を図ります」というニュアンスで書く必要はありますが。

 

とはいえ弱点を指摘するのは、

自分の指導が至らないことを認めるような気もしますし、

一般的には書きにくいのかもしれません。

 

しかし、この点は意外と意識されていないと思いますが、

弱点を見つけたというだけでも実は大きな進歩です。

よくわかっているご家庭は理解してくれると思います。

 

もし、そこの個別(先生)では弱点が埋まらなかったとしても

何もわかっていない状態よりは遥かにましです。

 

例えば、公立小・中などで成績が低迷している人というのはほぼ確実に、

何がわからないのかがわからない」という状況ですが、

 

成績上位になればなるほど、

自分にはここが足りない」という部分が明確になっていきます。

 

また、見方を変えれば

「その日にやった単元をその場で多少理解した」ということは

まあ良かったと言えば良かったのですが、

ある意味では当たり前だとも言えますので、

こちらの方が重要だということも言えるでしょう。

 

3.アドバイスを書く

 

これはケースバイケースで

いつもやっていたわけではありませんが、

「こうしたらどうか」ということを

何か思いついた時はできるだけ書いていました。

 

といったところですね。

 

まあ、一体誰向けの記事なのか、という気はしますが、

参考になる部分がありましたら幸いです。